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南方熊楠が残した資料は民俗学・文学・比較文化・博物学等の人文科学関係から、粘菌等の隠花植物・顕花植物・昆虫等の自然科学関係にまで及びます。また熊楠はそうした広い学問的な視野から地域に密着した環境保存のための社会運動、いわゆる神社合祀反対運動を起こしており、その内容の検討のためには地域的な研究も必要とされています。こうした事情から、資料研究会の調査においては、地元の研究者を含むそれぞれの専門家が一応の担当分野を決めてアプローチするとともに、相互間の対話を進めることを重視してきました。
ここで、現在の暫定的な担当区分を挙げておきます。
また、南方熊楠の資料内容は多岐にわたっているために、必要に応じて専門家の参加を得ています。月川和雄**氏(青山学院大学講師)には「ロンドン抜書」について、佐伯順子氏(同志社大学教授)には蔵書・日本語文献について、粟国恭子氏(浦添市立図書館沖縄学研究室)には『球陽』について、西川照子氏(エディシオン・アルシーヴ)には『御伽草子』等について、それぞれ研究協力を得ました。資料保存については、青木睦氏(国文学研究資料館)の指示をいただきました。
自然科学分野では、貝類について長谷川和範氏(国立科学博物館研究官)、岩石について千葉とき子氏(国立科学博物館研究官)、鉱物について松原聡氏(国立科学博物館研究官)にそれぞれ調査していただきました。
また、調査のためのさまざまな作業にあたっては、安島真一、稲葉尚美、田中薫、富樫美恵子、橋爪博幸、山岸光宏、吉田真樹の諸氏と、早稲田大学人間科学部蔵持不三也ゼミ有志の参加を得ておこないました。
松居竜五・原田健一「南方熊楠資料調査の中間報告」(『熊楠研究』第1号、1999.2)を改稿: 2000年4月ウェブ掲載、以降2003年3月まで随時追記・訂正
* 後藤伸氏は、2003年1月27日逝去されました。ご冥福をお祈りいたします。
訃報:後藤伸先生 (2003.1.30 掲載)
** 月川和雄氏は、2008年2月28日逝去されました。ご冥福をお祈りいたします。
訃報:月川和雄氏 (2008.3.24 掲載)