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写真(昭和6年11月13日・田辺市蔵)は、南方邸に残されていた、熊楠の没後周辺の人々によって整理されたと思われる写真帳三冊の内の一冊に収められていたものです。当時北海道帝国大学助手で、熊楠とも文通による密接な親交のあった菌類学者の今井三子(いまいさんし、1900-1976)が邸を訪問した際に撮影したものであることがわかっています。
数え年65の秋、眼鏡にくわえタバコで、採集物を一心に描画している晩年の熊楠の、落ち着きを伴った真剣味を伝えています。彼はタバコをくわえた姿で写真を撮られることを好みましたが、このように仕事中にそうしている姿は珍しいものです。(田村義也)
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