2003年3月刊行 (A5版、362頁)
装画:小畔四郎宛南方熊楠書簡より |
スティグマの視線 ―南方熊楠の身体論―
南方熊楠の今昔物語集 ―説話学の階梯・大正篇 IV―
−英国図書館及びヴィクトリア&アルバート美術館調査報告(2002年)−
ランシング・アナーバー時代の南方熊楠 −アメリカ調査報告−
[史料解題] 南方熊楠のミシガン州立農学校入学事情
南方熊楠宛小笠原誉至夫書簡
中村古峡と熊楠 −資料と解題−
南方熊楠没後の顕彰事業史2
『課餘随筆』巻之七目録
『続々南方随筆』草稿中の未発表原稿 I
南方熊楠・高木敏雄往復書簡
小畔四郎宛南方熊楠書簡 −第二回・1928年(上)−
I は論文の部。 田村は熊楠の「エコロジー」思想について通説を再検討。 原田は熊楠の身体への関心を複数の視点から検討。 雲藤は前号に引き続き熊楠の記憶の技術と記憶力の低下に彼がいかに対処したかを検証。 小峯は熊楠の蔵書への書き入れを読み解き、今昔物語読書がどのように展開されたかを追跡する連載。
II は海外調査報告の部。 牧田・松居はロンドンでの最後の2年間の熊楠の動向を伝える貴重資料を発掘。 中西・横山・松居はミシガン州ランシング及びアナーバーで熊楠の足跡を追い、これまでは彼自身の証言しかなかった伝記的事実について裏付けとなる文書を確認。 武内解題は三氏アメリカ調査によってもたらされた史料から熊楠のランシング行について新たな理解を提示。
III は熊楠の周辺についての資料紹介の部。 小笠原誉至夫は熊楠の和歌山中学同級生で、編集・解題は熊楠研究者でもある令息による。 中村古峡は雑誌『変態心理』を編集していた精神医学者・出版者で、熊楠の著作を刊行しようとしていた。 中瀬による熊楠顕彰事業史は今回で完結。
IV は熊楠の未刊文書の翻刻の部。 『課餘随筆』は熊楠の読書ノートで、錯綜を極め難読だが熊楠の思想形成を追うためにきわめて重要。 『続々南方随筆』は、出版されなかった四冊目の単行本。出版社に一度は渡された草稿中には多数の未刊行記事がある。 高木敏雄と熊楠の往復書簡は、柳田国男との往復書簡に劣らぬ興味深さと民俗学史上の重要性を持つ。 小畔四郎宛熊楠書簡翻刻の第二回では、熊楠の粘菌(変形菌)研究の思想的根底が明かされている。
(文責・編集部)
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