2005年3月刊行(A5版、340頁)
![]() 表紙挿画:熊楠日記1922年より |
「神社合祀反対運動における自然環境保護と入会権の相克」
参考資料 「『神社合祀反対運動』をめぐる新聞掲載文章」
「ニホンオオカミは「いつ」絶滅したのか?」
「未公刊英文論考の成立経緯―『ネイチャー』投稿論文について」
「南方熊楠の今昔物語集 ―説話学の階梯・大正篇 VI―」
「南方熊楠日記・1919(大正8)年5-8月」
「課餘随筆巻之九目録(上)」
「土宜法龍宛南方熊楠書簡 ―南方邸所蔵未発表分」
「辻清吉・南方熊楠往復書簡」
「小畔四郎宛南方熊楠書簡 −第四回・1929年(上)−」
「南方熊楠の未発表筆写原稿」
「南方熊楠と博物学者白井光太郎」
「南方熊楠の記憶構造 ―和文論文の検討を通して―」
「南方熊楠未公刊英文論文草稿−『ノーツ・アンド・クエリーズ』関連−」
「南方熊楠の森」展示および関連シンポジウム、南方熊楠翻字の会・田辺/東京と熊楠関西報告、科学研究費の採択について
『南方熊楠邸蔵書目録』『南方熊楠邸資料目録』のご案内 [頒布開始 2005. 4]
I は論文の部。原田は、歴史学および社会学の分野での神社合祀政策についての研究を参照しつつ、熊楠の反対運動が地域にとって持った意味を問い返す。志村は、近代以降のニホンオオカミの運命と熊楠の交錯点を発掘した。田村は、熊楠の『ネイチャー』誌への最後期の投稿の執筆背景を考察。小峯の、蔵書書き入れの翻読を通して熊楠の今昔物語読解を探求する連載は大正編の大詰め。
II は新資料の翻刻・紹介。「南方熊楠日記・1919 年5月〜8月」は、前号に続いて、1915年以降が未公刊となっている熊楠日記の翻刻。「課餘随筆巻之九目録(上)」は、「吾妻鏡」など国文学を中心とする、熊楠の読書ノートを紹介する。「土宜法龍宛南方熊楠書簡」は、南方邸所蔵で未紹介だった書簡3通の翻刻。「辻清吉・南方熊楠往復書簡」は、熊楠の有力な後援者だった辻清吉との交流を伝える新出熊楠書簡と、関連する南方邸資料の紹介。「小畔四郎宛南方熊楠書簡・1929年前半」は、昭和4年の天皇行幸・御進講前後の熊楠のめまぐるしい動向を詳細に伝える。「南方熊楠の未発表筆写原稿」は、熊楠没後に刊行をめざして第三者が筆写原稿を作成しながら、未刊のままに終わった論考群の紹介。
III は横組みの論文と資料紹介。郷間は、同時代の植物学者の中で例外的に熊楠との関係が良好だった白井光太郎との交流を、博物学という背景から通観。雲藤は、「十二支考」の中にある記憶と情報のネットワーク構造を読み解いて、その内部構造を明かす。「南方熊楠未公刊英文論文草稿」は、『ノーツ・アンド・クエリーズ』誌のために起草されながら刊行されないまま南方邸に遺された英文論文草稿を紹介している。
(文責・編集部)
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第三章扉:花札「11月―道風」になぞらえた自画像(1886年日記裏表紙見返し、「未公刊英文論文草稿」参照)と、裏表紙:ムカデ観察図(1922年日記余白挿画、「熊楠日記」1919年8月30日の記述も参照)