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◇矢作ダム

 

 串原村誌および『串原村のあゆみ』より、ダム完成までの主な流れは以下のとおり。

 昭和32.6.15  愛知県総務部より串原村宛てに矢作川流域総合水利計画案が送られ、矢作ダム建設が持ち込まれる
 昭和32.6.25

 ダム建設反対の集会が開かれ、愛知県知事への抗議書と反対陳情書が提出される

 昭和32.8.10  関係地域の住民によるダム反対委員会設立
 昭和33.4.12  ダム対策委員会設立
 昭和33.9  愛知県によるダム建設の説明会が開かれる
 昭和34  ダム建設が愛知県から建設省に移管
 昭和36.4  予備調査実施。翌年6月にかけて行われる。ダム建設は可能であり経済的にも有利とするも、反対委員会より反対声明書を受ける。その後岐阜県土木部長・県会議員と住民との間で話し合いが続けられた
 昭和37.10  建設省が、中部地方建設局矢作ダム調査事務所を設置。11月、串原村長にダム建設を前提とする実施調査に関する説明会の開催を要請。12月、説明会開催
 昭和38.2.23  村長が矢作ダム実施調査の覚書に調印、地元関係者がダム建設を承諾し、矢作ダムの建設が正式に決定する。この調印を機に、串原ダム反対委員会は矢作ダム串原村対策協議会に改められ、水没関係者の生活再建に活動が向けられることとなる。また建設省は矢作ダム調査事務所を設置
 昭和38.11

 補償調査に関する説明会が開かれる(計3回)

 昭和39.1  補償物件や生活実態の調査といった補償調査が開始
 昭和40.5  建設省中部地方建設局より損失補償基準が発表。しかし地元の期待よりもはるかに低く、基準の撤回が要求される
 昭和41.7  個人補償基準について交渉が妥結。覚書に調印
 昭和41.12.1  ダム起工式
 昭和42.2  水没世帯の移住・家屋の解体開始。翌年3月完了
 昭和45.2  矢作ダム第一発電所完成
 昭和45.10  湛水完了

 昭和46.6

 ダム竣工


 串原村誌によると、岐阜・串原村内で水没に関わる地域は、上流より大竹(おおだけ)・相走(あいばしり)・大野(おおの)
久木漆畑釜井・閑羅瀬(しずらせ)・大簗(おおやな)で、うち久木・漆畑・釜井は全戸移住。移転世帯総数は59。移転先の内訳は以下のとおり。

移転先 大竹 相走 大野 久木 漆畑 釜井 閑羅瀬 大簗
岐阜 明智町【現・恵那市】 東山地区(※1)     1 3   4
(※2)
    8
その他     2         1 3
瑞浪市     3 1 1       5
土岐市       2 1 1     4
多治見市     1     2     3
恵那市   1
(※3)
1           2
中津川市     1           1
上矢作町【現・恵那市】           1     1
村内(※4)   1 2         1 4
愛知 豊田市 京ヶ峰(※5)       1 1 4     6
その他 1   5 2 1 3 1 1 14
名古屋市       2 1       3
春日井市 1         1     2
刈谷市         1     1
三好町【現・みよし市】     1           1
その他     1
(※6)
    1
(※7)
    2
2 2 17 12 5 18 1 3 60
(※8)

※1 建設省の斡旋による集団移転が行われた。新興住宅地
※2 うち1世帯は村誌の付表「水没者とその移住先」および本文では漆畑となっているが、巻末の住宅図では釜井であり、ここでは釜井に数えた

※3 のち相走に帰村
※4 全世帯、各集落内の水没を免れた土地に移転
※5 地元銀行の斡旋による集団移転が行われた。新興住宅地
※6 東京都杉並区
※7 静岡県富士市
※8 1世帯で子世代の独立があったため、移転先は60箇所となっている


 旭町誌によると、愛知・旭町内で水没に関わる地域は、上流より牛地(松ヶ瀬・本郷中切・和戸)・小滝野(おたぎの)・閑羅瀬(しずらせ)(※9)。移転世帯総数は108。
 牛地には7戸が残存したが、松ヶ瀬の1戸は中切からの移転。和戸地区黒谷(くろだに)の5戸のうち、2戸は和戸地内の水没地から、2戸は中切から、1戸は本郷からの移転。和戸地区明ヶ沢の1戸は水没を免れたもの。
 移転先の内訳は以下のとおり(非水没の移転者は集計外と思われる)。

移転先 牛地 小滝野 閑羅瀬
愛知 豊田市 38 12 1 51
足助町【現・豊田市】 4     4
名古屋市 3     3
春日井市 3     3
知立市 3     3
稲武町【現・豊田市】 2     2
刈谷市 1     1

岡崎市

    1 1
松平町【現・豊田市】 1     1
日進町【現・日進市】 1     1
瀬戸市 1

 

  1
長久手町【現・長久手市】 1     1
弥富町【現・弥富市】     1 1
町内 12 1   13
岐阜 明智町【現・恵那市】 8 2   10
瑞浪市 2     2
恵那市 2     2
各務原市 2     2
多治見市 1     1
白川町 1     1
山岡町【現・恵那市】 1     1
その他 3
(※10)
    3
90 15 3
(※11)
108

※9 「閑羅瀬」の地名は、串原村と旭町に亘っている
※10 東京都2・神奈川県相模原市1
※11 ただし本文中では「ダム建設を機に六戸が豊田市へ、岡崎市・弥富町・名古屋市へそれぞれ一戸が転出した」とある

 

 

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