囲炉裏と火鉢の道具1

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囲炉裏と火鉢
田中商店
炭と道具のお店

和歌山県田辺市
新万17-18

TEL 0739-23-3252

店主の独り言

光栄なお話 
  先日、宮内庁へ当店の馬目樫の灰を御納めさせていただきました。
商売人として、たいへんな励みになりました。
 感謝。

地震対策

 普通は、この状態。(灰が少し多いですけど。)
 フライパンのフタがぴったり合うでしょ。中の酸素がな
くなるので、炭火は、弱くなり消えていきます。

 2011年のシーズンは、節電をしなければというお客様が、火鉢や囲炉裏で使う道具をそこそこ買ってくれました。

 なじみのお客様からは、炭のご注文も多かったです。
  毎年、たくさんの炭のご注文を頂戴していたのに、今年は、例年より買っていただける炭の量が少ないお客様もいらっしゃいました。聴くところによると地震が恐いということでした。

 そこで、当店で当店でしている地震対策をお伝えしました。

 当店では、陶器の丸火鉢を使っているのですが、ちょっと外出をしたり、地震が揺ったときのために火鉢にする蓋を用意しております。

 火鉢の蓋といえば、なんですが、フライパンの蓋です。ホームセンターで売っているものでは、少し小さかったので、ネットでフライパンの直径が32センチまで大丈夫なフライパンの蓋を購入しました。送料込みで1500円ほどでした。

 このフライパンの蓋が、火鉢の蓋としてちょうどよかったです。

 これで、まあまあ安心です。

ちょっと感じた話2
 お客様から白い灰はないのかと問い合わされることがございます。真っ白に近い灰というのは見たことがないので少し調べてみました。

 白い灰は、香道をされる方たちが大事に大事に時間を掛けて特別な香炭団(こうたどん)という炭を焚いて少しずつ作っていくようでした。香炭団は、市販品ではダメならしく宗匠からもらいうけたものでないと白い灰にならないということでした。

 永平寺の香炉の灰は、真っ白で、その白い灰は、永平寺で作っているということです。生の杉の葉を露天で蒸し焼きにして、その中央の白い部分だけを集めて作るようです。なかなか白い灰を作るのは難しいようです。(茶の湯の科学入門 堀内国彦著を参考にさせていただきました。)

 化学合成された灰は、かなり白いです。当店でも試しに少し仕入れたことがございます。でも、袋には、「この灰の埃(ほこり)を吸うと珪肺症になることがあります」と注意書きがありました。お客様が病気になるような灰を販売することはできないので、すぐに廃棄処分しました。化学灰は、要注意です。

ちょっと感じた話
 先日、BONESというアメリカのテレビドラマを見ていましたら、バーベキューの炉を作る場面があり面白いくだりがありました。

 バーベキューの語源はカリブ語のバラビクーという言葉で、バラビクーには「聖なる炉」という意味があるそうです。ラテン語では、炉は、元々「中心」という意味で炉は家の中心ということをあらわしているそうです。また、中心から心臓という言葉にも通じているようです。

 日本の囲炉裏の語源と意味がまったく同じで感心しました。洋の東西を問わず、炉は神聖なものとして扱われているようです。

囲炉裏への灰の入れ方について
 お客様より囲炉裏へ灰を入れる際に、霧吹きなようなもので灰を湿らせて上から抑えつけたほうがよいのかというご質問をされる場合があります。

 灰は、できる限り乾いた状態にしてフワフワにしておかなければ、炭がよく熾りません。灰を湿らせて上から抑えつける方法は、どこかの地方で行われているかもわからないですが、元々炭屋の店主である私からすれば、とても賛成できるやりかたではありません。

 囲炉裏へ灰を入れる場合は、乾いた灰をそのまま入れて灰ならしで綺麗に慣らすだけでよいです。

 茶道では、湿り気味の灰を炉の灰の上に埃が立たないように入れる場合もあるようです。


火鉢の下に赤土を敷くことについて
 当店では、陶器製の火鉢を使う際には、最初のセッティング時に下に赤土を敷くようにお伝えしております。赤土を敷く方法は、地元のお年寄りから教えていただいたものです。

 当店のお客様とお話をしますと、全国的にも赤土を下部に敷かれる地域が多いですが、地域地域により色々とやり方があるようです。

 東京のお客様や九州のお客様からは火鉢の下は灰だけで他のものはなにも入れないと教えていただきました。また、同じ関東でも千葉や埼玉のお客様は、下に赤土を敷いていたと教えていただきました。

 お客様からは、「何故、赤土を敷くのですか?」というご質問もよく頂戴します。赤土を敷くのは断熱のためです。赤土を中に敷いていても、昔は、畳を焦がすこともあったようです。

 お客様より「灰を節約するために赤土を敷くのではないのですか」とご質問をされたことがあります。昔は、カマドへ行けば灰はいくらでもありました。それでもお年寄りたちが火鉢の下に赤土を敷いていたのは、やっぱり断熱のためであると思います。

熊野の鍛冶屋の仕事を見てきました。
昔は、どこの村にもあった鍛冶屋さん。
農具や包丁など、作ってもらったり、修理をしてもらったり、磨いでもらったり。
でも、今は本当に鍛冶屋さんも少なくなりました。
囲炉裏や火鉢の道具でも鍛冶屋さんでないと作れない道具もあり、当店でも何種類かを作ってもらっています。
この鍛冶屋さんは、炉で使う炭を自分で焼き、鍛冶仕事に使っています。炉で炭を熾し空気を送ると画像のように炭が真っ赤に熾ります。そこへ鉄の板を入れます。
鉄板が真っ赤になったら取り出して金槌でたたき形を整えていきます。
手だけでなく、ときには機械にも手伝ってもらい叩いて形を整えていきます。この作業を何度と繰り返して1つの商品を作り上げていきます。夏場はたいへんな重労働です。

平成19年10月6、7日に囲炉裏の里の大平宿(おおだいらじゅく)へ行ってきました。
大平宿は、長野県飯田市から車で30分程の山奥にある昭和45年に廃村になったところです。10数件の古民家が残っており、現在は、飯田市の人々が守っています。1人1泊2300円程で古民家を使わせていただくことができます。

6日の午後15時頃に事務局のある飯田市内のアルススポーツ店へカギを借りに行きました。アルススポーツでは、囲炉裏用の薪も用意をしてくれており、1束500円でした。

秋が来たところでしたが、夜は、冷え込むということで薪は4束を貰っていきました。飯田市の人たちはみなさん親切でした。
15時半に大平宿へ到着。駐車場へ車を止めて十数件ある古民家の中から宿泊予定の「からまつ屋」を探して、荷物を運び込みました。「からまつ屋」は、駐車場から近いので荷物を運び込むのが便利でした。離れた古民家へ宿泊予定の人たちが、荷物を運ぶためにリヤカーを借りに私たちのところへやってきたりしました。

到着後は、すぐに掃除を始めました。床を拭き、お風呂を洗いました。時間もなかったので、とりあえずは自分たちの使うところだけ掃除をしました。
掃除の後は、薪に火を着けて、囲炉裏に火を入れ、風呂を沸かし、ご飯も炊きました。鍋ではブタ汁を煮て、紀州備長炭も熾して鮎と鶏肉も焼きました。

食事と風呂の段取りに2人で2時間程掛かりました。昔の人は、毎日毎日、これの繰り返しだったのかと思うと苦労が偲ばれます。これに、まだ、洗濯もあったんだなぁと思いました。
19時から食事をしました。
薪で炊いたご飯は、釜の底にうっすらとおこげが着いていて最高に美味しかったです。
20時頃になっても他の古民家へ宿泊するために到着する人たちが、からまつ屋の前に置いているリヤカーを借りにきました。今から用意を始めると、食事の用意やお風呂は、いったいいつになるんだろうと思いました。
お風呂は、薪で沸かしましたが、五右衛門風呂ではなくて綺麗なホーローのバスタブでした。

夜は、22時に就寝したので薪は2束半しか使いませんでしたが、夜遅くまで飲む場合は、薪は、翌朝の分とあわせて4束程は必要でした。また、焼き物をする場合は、煙の出ない紀州備長炭は便利でした。
早朝の大平宿の古民家。すこし朝もやが掛かっていて、なんともいえない気持ちのいい朝でした。村の中を流れている小川で顔を洗いました。
ドラマのトリックにもでてきそうな古い神社もありました。朝の散歩で1時間程かけて大平宿をひとまわりしました。

散歩をしていると、他で泊まっていた人たちにも出会いました。自然と「おはようございます」という声が出ました。
 大平宿での感想とこれから泊まられるみなさんへ

大平宿は、民宿ではないので設備は整っていません。また、現場には管理人さんもいません。水道と電気は通っています。からまつ屋の前に公衆電話が1台だけあります。携帯電話は通じません。宿泊する場合は、13時頃には到着をして1〜2時間は掛けて綺麗に掃除をして、話でもしながらゆっくりと夕食の準備をするのがいいなぁと感じました。

 翌朝は、早く起きれば、少しもやが掛かった、すがすがしい朝を迎えることができます。朝の散歩はお奨めです。 古民家をそのまま貸してもらうので、綺麗な施設という訳ではありませんが、次の日、出発時には何か名残惜しいものがありました。

 大平宿へ行く際に持っていったほうが良い物。大平宿は、不便を体験に行くところなので、近代的な道具を持って行くのは、少しはばかられますが、キャンプ道具一式は持って行くとやっぱり便利です。鍋は、ありましたが、少人数だとちょっと大きいのと必ずしも綺麗なものではありませんでした。羽根の付いたおくどさん用の炊飯釜は綺麗でしたので利用しました。

 雑巾は、綺麗に掃除をするのなら10枚くらい必要。囲炉裏の間は、灰が飛んでいるので何度も拭きました。
 畳を履くほうきがなかったので、あれば持って行くのがいいです。
 囲炉裏に鍋を掛けた際に、黒いほこりが上から落ちてくるのでふたにするアルミ泊があれば便利。
 
 トイレは、綺麗ですが、トイレットペーパーはなかったで持って行く必要があります。ティッシュは不可です。
 
 お風呂場の着替えスペースは、板がかなり汚れていたので、掃除をしても何か敷くものを持って行くのがいいです。私たちは新聞紙を敷きました。お風呂は、掃除さえすれば、綺麗で薪で追い焚きができるのでよく温まります。
 新聞紙は、たくさん持って行くと、焚き付け用や敷物替わりと重宝します。

 薪は、キーを渡してくれるアルススポーツさんで用意をしてくれています。1束500円です。真冬なら1晩過ごすのに5束くらいは必要なのではと思います。真夏でも2束以上は持って行く必要があると思います。薪は、1つ1つが少し大きい目なので、時間があればナタを持って行き半分くらいに割れば使いやすくなります。
 また、焼き物料理では、煙の出ない紀州備長炭は重宝しました。薪で焼き物料理をするのは難しいです。
 食器は、棚には、ある程度は並んでいましたが、ほこりまみれで使うことはできませんでした。私たちは100円ショップで揃えて持っていきました。包丁なども100円ショップで買いました。

 電気は、裸電球が各部屋についていますが、外は真っ暗です。ランタンか懐中電灯が必要ですね。

 ゴミは、持ち帰らなければなりませんので、ゴミ袋は必携です。

 もちろん冷蔵庫はありませんので、ビールなどの飲み物は、氷の入ったクーラーボックスがあれば便利です。熱いお茶を飲むには、アルミのやかんはありましたが、かなり汚れていたので持参した小さな鍋でお湯を沸かしてティーバックを使って飲みました。

 不便を楽しみに行く場所なので、そういうのが苦手な方は、行かないほうがよいです。


 大平宿をのこす会 長野県飯田市知久町2-33 電話0265-53-6060
紀州備長炭の窯の中の灰について

お客様から紀州備長炭の本場にあるのに何故、当店で紀州備長炭の窯の中の灰を販売しないのかの問い合わせが多いためのお話です。画像は、私が尊敬する紀州備長炭の職人さんである、みなべ町製炭者組合の副会長さんの窯で撮影をさせていただきました。

茶道をされている方々は、灰をたいへん大事にされます。家が火事になったときには、まず灰を持って逃げるといいます。それくらい灰は大事にされていたのです。当店の灰は、茶道用ではないのですが、茶道の先生からもお褒めいただくほどの品質のものです。茶道用の灰は、灰を一度、水にとき時間を掛けて乾かし、乾いた灰をまた、時間を掛けてすり鉢ですり続けてようやくできあがります。茶道の先生がおっしゃるには、最近は、茶道用の灰であっても化学的に作られたものが多くでまわるようになっているようです。

当店では、茶道用の灰まで、品質を上げることはしていませんが、正直に砂などの不純物のない灰を販売しております。でもね、そうでない人たちもいるのがつらいんですよね。

窯だし中の紀州備長炭です。窯の中の温度は1000度以上あります。窯の中の紀州備長炭を掻き出すための鉄の棒も熱で曲がっているのがお判りいただけると思います。
紀州備長炭を窯の中から掻き出す前に窯の中へ砂を何度と投げ入れます。左の画像で窯の入口付近で火の粉があがっているのは砂を投げ入れたためです。

 窯だし前の紀州備長炭に砂を掛けることにより表面が美しくなり最後まで残っていた原木の皮を落とします。窯だし時に、この工程をはずすことはできません。砂入れの工程をしなければ窯の中には純粋な紀州備長炭の灰が残りますが、出来上がる紀州備長炭は二級品となります。職人さんが、この工程をはずすことはありません。
窯だし後の紀州備長炭の窯の中です。窯が冷えれば灰もできますが、その灰には窯だし時に投げ入れた砂が混じっています。ぱっと見ただけでは砂が混じっているとはわかりませんが、かなりの砂が混ざっています。この灰と砂を綺麗に分離そせるには灰を水にでも溶かさない限り出来ないのです。灰の採取方法の問題ではないのです。容積の割りに重たい灰は要注意です。以前販売をしていました本当の紀州備長炭の灰で5kgで8リットル程度でした。
また、最近は、あまり気にする人もいないのですが、昔は、窯床の灰を取り出すことは禁忌となっていました。
当店では、上記のような理由から紀州備長炭の窯の中の灰は、砂を含むため、ほんまもんとはいえないため、販売をしておりません。