◆尾泊(おどまり・おどまる)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「尾鈴山」(昭和29.9)を使用したものである
所在:西都市片内(かたうち)
地形図:瓢丹淵/尾鈴山
アクセント:オドマリ・オドマル
形態:鞍部に家屋が集まる
標高:約500m
訪問:2013年8月
一ッ瀬(ひとつせ)川右岸の稜線上にある。
現地は鞍部になっており、やや広い平坦地。大部分が新しい植林のためか獣害防止ネットで囲われているが、車道に近い部分には屋敷跡と戦歿者の墓(写真4。中武氏)が確認できる。すぐそばにはスギの大木があり、この一角のみが金網に囲われている。
地元の方の話では、分かるもので1軒。尾泊・
猿ノ囲・茶屋・笹ノ元を含む稜線筋の道は、かつての米良(めら)往還とのこと。
文献『古里越野尾』によると、明治末期に県道が開通するまでは、穂北(ほきた)(西都市)と越野尾(こしのお)(西米良村)を結ぶ往還の拠点であったとのこと。穂北方面からは米や塩、日用品といった生活必需品、越野尾方面からは楮皮・茶・椎茸等が馬の背で運ばれ、尾泊の問屋で積み替えられていた。
「尾泊は穂北と米良の境で、商品交換の場所である。家が五、六軒あって郵便局があり、茶屋が二、三軒ある」といった記述が見られる。
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