◆石ヶ山丈(いしがさんじょう)

※ この地図は、大日本帝国陸地測量部発行の1/50,000地形図「新居濱」(明治41.8)を使用したものである
所在:新居浜市立川町(たつかわちょう)
地形図:別子銅山/新居浜
形態:尾根上に施設が集まる
標高:約850m(沈澱池は約750m)
訪問:2018年8月
立川町の中東部、足谷(あしたに)川右岸側の山中にある。
明治時代、別子銅山で産出された銅の鉱石を輸送していた別子鉱山鉄道の上部鉄道の停車場(終点)があった。鉱石はここから索道により麓の端出場(はでば)に運ばれ、さらに下部鉄道により新居浜港まで運ばれていた(上部鉄道については、角石原のページを参照)。
訪問は種子川山(たねがわやま)方面より。魔戸(まど)の滝へと通じる林道(西種子川線)を進むと、さらに林道石ヶ山丈線が分岐。ただし現地までは通じておらず、標高約640m付近のカーブ付近から尾根筋を登る。
現地の手前、標高およそ750m付近には沈澱池の跡がある(写真2-7)。麓の旧端出場水力発電所(明治45年完成)の説明板によると、旧別子の日浦(ひうら)に集められた水が日浦通洞、東平地区の第三通洞を通りこの水槽に送られ、当時日本一の落差(597.18m)を利用し水力発電を行っていたという。
なおこの文には「石ヶ山丈の煉瓦造の水槽」と記されており、沈澱池も当地の一部と見做した。
沈澱池から再び尾根沿いに登ると、停車場付近に到着。現地にはその跡地を示す札や魔戸の滝・角石原方面・西赤石山への道標が見られ(写真8)、線路跡沿いにはいくらかの遺構も確認できる。また線路より上側にも段々になった土地があり、複数の施設が集まっていたことが窺える。
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