◆俵石(たわらいし)

※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「新宮」(昭和28.4)を使用したものである
所在:新宮市高田(たかた)
地形図:新宮/新宮
形態:山中に家屋が散在する
標高:約300〜400m
訪問:2008年10月
烏帽子(えぼし)山の東、光ヶ峯(ひかりがみね)の北にある。古くは高田村の枝郷、俵石村。かつての高田村の中心から那智勝浦町の大字市野々(いちのの)を結ぶ山道の上にあり、集落の南には烏帽子山・光ヶ峯の稜線を越える大杭(おおくい)峠がある。
地元の方の話では、不便な場所なので峯地よりも早くに人が出て行ったとのこと。ただ、しばらくは1軒のみが暮らしていた。姓は千葉(ちば)3・市野(いちの)2・川原(かわはら)・深瀬(ふかせ)・大野(おおの)・野本(のもと)・原山(はらやま)・和田(わだ)が1軒ずつ。多くの姓があるが古い集落。林業が生業の集落で、田畑も作っていた。
集落では3軒の廃屋(写真1〜3)・1軒の倒潰家屋・ほか数箇所の屋敷跡が見られた。それぞれの家の周りには広大な農地がある。銘々に広い農地を作れそうな場所に居を構え、集落が形成されていったのだろう。なお集落の最奥部にある屋敷跡は、車道の終点からおよそ2.5kmもある。
地名は、集落内に散見する巨石(写真6)に由来か。特に集落中部に多く見られる場所がある。
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