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◆有蔵(あんぞう/アンゾ)



※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「十津川」(昭和28.6)を使用したものである

所在:十津川村神下(こうか)
地形図:大沼/十津川
形態:川沿いの斜面に家屋が集まる
標高:約100m
訪問:2008年10月

 

 村の南東部、北山(きたやま)川(北山峡)の右岸にある。神下の「バン」のひとつ。神下の中でも東の外れにあり、北と東は和歌山県の北山村、南は三重県の紀和町(現・熊野市)に接する。国道169号線の「有蔵トンネル」に地名が残る。
 村内からのアクセスは、大渡や田戸(たど)から東野経由で山道を歩くしかない。峠を越えなければならないうえ、相当な距離を歩くことになる。訪問時は東野経由であったが、地図上では北山村(和歌山県)の小松(こまつ)から行くほうが近いよう。
 集落には緩やかな斜面を利用した広い農地跡が見られる。道より山側に1箇所、谷側の農地内に3箇所の屋敷跡が見られた(写真1〜3)。いずれも浴槽(釜風呂)・竈・便所の穴などの遺構や、甕・瀬戸物・窓ガラスなどが残っており分かりやすい。また西端には墓地が残り(写真4)、東・島本・笹内の3姓が見られた。これらの姓は他の場所でも見られ、この辺りには多いよう。
 大杉の方の話では、かつては4軒。林業や畑作(自給用の麦・芋など)で暮らしていたという。
 資料『十津川の地理』によると、昭和34年4戸18人。別の資料によると、昭和60年くらいまでは1軒だけ家が残っていたそう。

 


写真1 屋敷跡(物置)



写真2 屋敷跡


写真3 屋敷跡

写真4 墓地

 

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