◆岫沢（くきざわ） ※　この地図は、地理調査所発行の1／50,000地形図「五日市」（昭和23.2）を使用したものである 所在：奥多摩町川野（かわの） 地形図：奥多摩湖／五日市 形態：谷沿いに家屋が集まる 離村の背景：ダム建設（非水没地） 標高：約550m（水面は約520m） 訪問：2009年8月・2023年3月   　大字川野の東部、サイグチ沢（多摩（たま）川支流）沿いにある。現在は自然公園（山のふるさと村）の一部になっている。ダム建設により全戸転出したが、水没は免れている。 　公園内の「ビジターセンター」（写真1）がある辺りがかつての集落。園内は整備されながらも、石垣や廃車（写真2）、畑の跡など、僅かながら痕跡が窺える。 　町誌歴史編の絵地図によると、往時の家々は以下のとおり（概ね町誌民俗編掲載順）。（　）内は屋号。「／」の右側は、民俗編での表記（表記が同じもの、あるいは同一の世帯であるか確証がないものは省略）。 小俣（―／おおせど）・古屋（なかぜと）・古屋（しんや）・吉野（かみせど）・藤原（したのさわ）・藤原（いんきょとりや）・藤原（えんしょう屋・うえのさわ／うえん（の）さわ・えんしょうや）・吉野（―／みせ）・岡部（したで）・大久保（うえのだん）・吉野（―／したおめい）・大久保（おめい）・大久保（東）・大久保（わで）・大久保（いんきょ）・沢本（―／やまなし）・藤原（―／したやまなし）・福田（―／おんざし）・山下（―／うえおばな）・藤原（尾花／おばな）・佐藤（―／さかした）・原島（せいくば）・浅沼（―／いたぐら）〔計23戸〕 ※　民俗編では屋号が「うえんさあのいんきょ」の藤原家があるが、上のいんきょとりやと同一世帯か 　2009年訪問時は園内のみの探索で少数の写真を撮影したのみであったが、2023年再訪時は南まで足を延ばしたほか、いくらかの写真を追加で撮影。明瞭な屋敷跡は確認できなかったが、ビジターセンター脇の階段下にある平坦部（写真5）は何かの跡であったと思われる。
写真1　ビジターセンター（以下2008年撮影）	写真2　三輪自動車
写真3　岫沢橋（以下2023年撮影）	写真4　集落跡（山のふるさと村敷地）
写真5　平坦地（何かの跡？）	写真6　何かの遺構？
写真7　陶片	写真8　農地跡？
写真9　河口。やや低い水位のため、左に何かの石垣が現れている	写真10　岫沢‐南間の石仏
写真11　岫沢‐日指間の小祠	写真12　岫沢のむかしと今（ビジターセンターにて）
写真12　岫沢・日指の生活遺物など（同）