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◆細地(ほそじ)
(細地鉱山)



※ この地図は、大日本帝国陸地測量部発行の1/50,000地形図「花輪」(大正4)を使用したものである

所在:鹿角市花輪(はなわ)
地形図:犬吠森/花輪
形態:谷沿いに家屋や施設が集まる
標高:約600m
訪問:2017年5月

 

 大字花輪の東部、瀬ノ沢川上流部にある。主に銅を産出した細地鉱山に伴う集落
 以下は
市史および資料『不老倉鉱山誌』より当地の要約。

 銅山としての始まりは、享保21(1736)年の記録に「ナルモノ之ヲ発見尋テ僅カニ開坑ス」とあり、この頃であるよう。
 
近代以降の主な変遷は以下のとおり。

 明治6

 官許を得て小野組が操業開始(5月)
 破産(11月)

 

 岡田氏が借区権を出願。県が継続して仮操業を行う

 明治11

 鉱業会社が譲渡を受け操業

 明治18  鉱業会社より東京の雲光氏へ譲渡
 明治19  東京の松尾氏へ譲渡(3月)
 明治20  長谷川氏へ譲渡(9月)
 明治22  三菱の岩崎氏へ譲渡(2月)。鉱区拡張し経営が安定する
 明治37  不老倉鉱山に併合

 なお、無住となった時期は不明。
 以下は同書の引用する『尾去沢鉱山関係文書』より明治12年から16年の人口

  明治12 明治13 明治14 明治15 明治16
役員 10 13 11 10 9
坑夫 93 139 104 103 79
工夫 28 40 33 33 27
131 192 148 146 115

 また同書の引用する『柴平村誌』によると、明治27年から31年の戸口は以下のとおり。

  明治27 明治28 明治29 明治30 明治31
戸数 3 4 5 7 7
人口 42 45 26 33 34


 花輪鉱山付近より、瀬ノ沢川沿いの林道を利用し訪問。最近の地図上に記されている川沿いの道は上流部で既に流失しているが、新設の作業道が数十メートルほど上方に通じており、集落の600mほど手前まではこれを利用できる。さらに川を遡り、ズリ(写真1)の斜面を通り過ぎた辺りが集落跡付近。現在は集落があったことが分からないほど自然に還り、遺構などの生活の痕跡はほとんど残っていない。

 


写真1 川とズリ(正面の斜面)

写真2 集落風景

写真3 瀬戸物のかけら

写真4 平坦地

写真5 同

写真6 同

写真7 何かの跡。石垣が見える(写真右下)

写真8 南側の支流沿いの道

写真9 北側支流の合流部付近。道と建物跡(以下北側支流沿い)

写真10 建物跡付近?(土地は川に浸蝕されている)

写真11 植林の平坦地

写真12 護岸

写真13 ズリ?(写真中央やや上の茶色い部分)

 

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