TOSS-TWO-WAY/小学校/音楽/けんばんハーモニカ/1年生
                         紀州教育サークル 寺上 円女

(3)けんばんハーモニカ〈3〉 「ド」をひく

     石 川 裕 美  (教育技術の法則化〈2〉P.88-P.90 / 1985)

 けんばんハーモニカは、吹いて、右の指でけんばんをひくことが必要である。ピアノやオルガンの初歩と同じような指導が必要だ。

 1年生で、初めから決まった指使いでひくことを教えたかった。

〈説明〉 指でひく練習をします。けんばんをひくときは、どの指でどの音をひくかが決まっているのです。

     親指・・・ド  人さし指・・・レ  中指・・・ミ  薬指・・・ファ  小指・・・ソ

これを、おぼえましょう。

 黒板に大きく手をかいて「ド・レ・ミ」と入れていった。半数の子が、もう知っているようで、みんなで言いながら記入していった。

今日は、親指で「ド」をひく練習です。

 そう言うと、もう気の早い子は、プカプカやりはじめる。初め、親指だけの時は、吹くくだは持たないでやった方がいい。左手に持つと必ず口に漏ってしまう子が〜5人はいた。

〈指示1〉 まだふかないので、くだは、おきなさい。

〈指示2〉 右手をけんばんの上にそっとおきなさい。

〈指示3〉 指の先のはらだけけんばんにつけなさい。なかに卵がはいっているつもりで、やりましょう。

 次に「ド」の場所をさがして、その上に、親指をおかせる。これがわかりにくいので、黒板に図をかき説明した。

〈説明〉 黒いのと、白いのがあります。黒も、二つ並んでいる所と、三つ並んでいる所がありますね。左の方で、二つ並んでいる所の、左下が「ド」です。

 うまくことばがみつからなかったので、必死に黒板にかいて説明した。ざっと見わたしたら、数名が迷っていたので、そばに行って「ここよ」と教えた。そしてら、「先生、ここのしるしあるよ」と、何人もさわぎだした。「どれどれ」と、よーく見るとけんばんの元の方に「C]のマークがついていたのだった。今は、どれにもだいたいついているようなので、そのマークをめあてにすればかんたんだった。

〈指示4〉 親指だけで「ド」のけんばんを押さえなさい。

 右手がけんばんの上にのっているのだから、親指だけ力をいれればいい。かんたんだと思ったら、そうはいかなかった。

 今まで5本指をのっけていたのに、「ド」を押さえるとなったら、とたんに、親指だけ上にいき、あとの4本はそろてまるまるー拇印を押す形ーという風になってしまった。5本いっぺんにけんばんを押してしまう子もいた。手首をぐっと下におとして、力を入れている子もいた。ひじがぐっと上に突き出している子もいる。みんなの力が入りすぎたためである。それも、全部そばにいって形を直してあるいた。

 形が治り、親指が動いているようになったら、こんどは、音を出すのである。

〈指示5〉 左手で吹き口を持ち、ふきなさい。

 はじめは、おそるおそる「ドー」と吹き、そのうち、みんな大きな音を出せるようになった。しかし、全員が吹くとすごい音になる。声で「やめなさい」「おわり」と言ってもきこえないくらいである。

 このあと、「ド」をリズムをつけてひくことにした。私がオルガンでひく。

〈指示6〉 先生が、オルガンでひきます。「ハイ」と言ったら、まねしてひきなさい。

 私がひいて「ハイ」でひくーというのがうまくできないので、2〜3回練習が必要である。私がひいたのは、次のようなものである。

(1)ドー ドー ドー (ハイ)

(2)ドー ドド ドー (ハイ)

(3)ドド ドド ドー (ハイ)

(4)ド  ド  ド  (ハイ)  短く切る

(5)(スキップ)  ドッド  ドッド  ドー 

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