TOSS-TWO-WAY/小学校/音楽/けんばんハーモニカ/1年生
                         紀州教育サークル 寺上 円女

(2)けんばんハーモニカ〈2〉 親指の指導

     石 川 裕 美  (教育技術の法則化〈2〉P.85-P.87 / 1985)

 くだの先をくわえて息を吹き、右手でけんばんをひいて音を出すのが、けんばんハーモニカである。 初めて出会い、音をならしてあそぶ。そのあと、本格的に指を一本ずつ動かして、ひいていく指導に入った。一番もとになる「ド」を、親指でしっかり押さえられるようになってほしいと思った。                                                            

 親指でひく練習をします。
〈指示1〉机の上に右手をのせなさい。

〈指示2〉指を広げなさい。

〈指示3〉親指だけ、上げたり下げたりしなさい。

 机の上に指を広げておくときは、てのひらのまわりがだいたい机についている。まず第一段階は、こうやって普通に広げた形で親指を上げ下げする練習をした。

 親指は指の中でも一番動かしやすい。それでも、「指を広げて」というと、もう緊張してしまし指がつっぱってしまう子も一割いた。そういう子は、親指も、なかなかうまく動かないようで、右手全体に力をこめているのがよくわかる。

 とにかく、力をぬいて、楽に親指が動くといいので、全体をよく、見わたして「そう、そう、それでいいの」「とってもじょうずねね」とほめていく。

〈指示4〉 指のつけ根を少しあげなさい。中にものが入るようにしてごらんなさい。

 これも、黒板に手をあてて、示してみるとよい。言葉だけでは分からない子が、5〜6人いた。この時は、親指のつけ根のはらの部分は机についている。

〈指示5〉 親指を上げたり下げたりしなさい。

 先程と同じことである。

〈指示6〉 こんどは、指の先だけ机につけなさい。あとは、うかせてごらんなさい。

 これで、ほぼピアノをひく手の形ができた。やはり黒板に手をあてて、よく見せる。

〈指示7〉 親指だけ動かして、机をトントンとたたいてごらんなさい。

 これも、力が全体に入ってしまうから、とにかく、どうにかでも親指が動いていたら、「じょうず、じょうず」と、ほめる。どうしても動かし方がわからない子は、そばにいって指の形をととのえ、親指だけ動かすのを手伝う。

 最後に力をぬくことができればいい。

〈指示8〉 手の中に卵が入っているつもりでやりなさい。

 この形であとの指も動かす練習をすればよい。

 この間15分位の時間であった。

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