TOSS-TWO-WAY/小学校/音楽/けんばんハーモニカ/1年生
                         紀州教育サークル 寺上 円女

(1)けんばんハーモニカ〈1〉 歌遊びから

     石 川 裕 美  (教育技術の法則化〈2〉P.83-P.85 /1985)

 わが学校では、ハーモニカではなく、けんばんをふき、ふいて音を出す楽器を使っている。けんばんハーモニカである。これは、息を吹くだけでいい。しかし、指を動かすのが一番の困難である。楽しく指を動かし、練習に入る工夫である。

〈指示1〉 ケースから出して、机の上におきなさい。

 ケースの中に入れたままでも、演奏できるようになっている。ふたの部分に教科書をたてることもできるように、便利である。しかしこうすると子どもたちの指が、教師から全く見えないのである。そこで、ケースから出して使うことにした。ケースは床の上におかせた。

〈説明〉 これは、けんばんハーモニカといいます。このくだから息をふいて、このけんばんをおすと音が出ます。

かんたんに説明して、すぐ音を出させるようにした。

〈指示2〉 今から自由にふいていいです。先生が、前に立ったらやめましょう。

 最初おそるおそるだが、みんなすぐに、楽に扱っていた。女の子(12人)は、みんなピアノのひき方でやっていた。男の子(19人中)11人が、たどたどしく押さえたり、一本指で乱暴にたたいていた。   3分ほどして前に立った。

〈指示3〉 指がよく動くように「指のたいそう」をしましょう。両手をあわせなさい。

 教師も、目の前で合わせてみる。次の問うな歌にあわせ、くっついている指の腹同士を、トントンと、うちあわせる。

子どもと子どもがけんかして〈小指〉  くすりやさんが、とめたけど〈薬指〉                なかなかなかなか、とまらない〈中指〉  人たちゃ笑う〈人指し指〉  親たちゃおこる〈親指〉

 初めは、指が一緒に動いてしまうが、何回もやっていくと、一本ずつ曲げることができるようになった。とにかく、楽しいたいそうができればいい。初めから完全にできなくてもいい。

〈指示4〉 両手を、机の上に、おきなさい。

 教師も黒板に、両手をつける。指は広げる。

〈指示5〉 指を広げなさい。
〈指示6〉 両手を机の上につけたまま、同じたいそうをしましょう。

 同じように歌いながら指を動かす。

〈指示7〉 親指からやってみましょう。

 歌とあわないので、これは「親指さん」と言う間に、トントンとたたくようにする。

 この楽器をやるときは、いつも、これをやってから、授業に入った。

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