南方熊楠資料研究会による南方熊楠邸(同保存顕彰会・田辺市教育委員会文化振興課内)所蔵資料の調査作業及びこれに関連した南方熊楠資料研究会の活動の記録を掲載しています。
《ミナカタ通信》25号 (2002. 7.22) 掲載
期間: 2002年3月25日〜31日
前回より中西須美氏(名古屋大学大学院)が雑誌班に参加
松田毅氏(神戸大学助教授)に哲学、論理学関連の熊楠蔵書を見ていただいた。ドイツ、ハノーバーにあるライプニッツ研究所が熊楠研究所のひとつのモデルとなる可能性あり。
目録作成のためのスタッフ以外に、研究目的のゲストを受け入れていきたい(小泉氏、松田氏のように)。これについては「熊楠研究」をはじめとして、研究成果の発表を前提条件とする。来ていただく前に、全体調査や会議の機会を利用してアナウンスする。(松居)
基本的なデータ採りは終了。あとは川島が自宅にて作業可能。夏の調査では最終的な現物との照合作業になる。ただし雑誌班との移管作業は継続する。
中国書に関しては、調査初期にリストを作成してから、かなりのブランクがあり他の班と同水準の精度にするために今回再調査を行った。5日間で全体の約3分の2程度まで進めることが出来た。
8月の下旬頃に、協力者一名のサポートを得て追加調査を行いたい。
出版年度の確定が困難なものが多い。そのための作業が必要。
マイクロ撮影は順調。
和古書の分類については、内閣文庫の目録に順ずる。内閣文庫の目録に無いものについては、内容を検討しながら分類する。作業は本年度中に終了できる見込み。
全体的なカード採りは終了している。現在は再点検作業中。作業は次回夏の調査で終了見込み。ただし洋書ともども追加調査の可能性もある。
雑誌班との移管が難航中。分類が難しいものがかなりある。「雑」という分類に編入するにしても慎重に行いたいものがある。
洋雑誌、和洋抜き刷りについてはカード採りほぼ終了。
和雑誌については、残部多数。段ボール箱29箱のうち3箱終了、3箱作業中という状況である。1人の作業者が2日間で1箱というペースである。
保存状態が良くないという問題もある。
移管作業が煩雑である。
追加調査が数次必要であると思われる。
ボランティアスタッフの募集について。継続性のある方。研究所の運営との兼ね合い等も考えて、顕彰会とよく検討を重ねる。
「自筆資料」「関連資料」「没後資料」という分類で作業を行っている。
文字資料に関しては昨年発見分の来簡以外はほぼ終了。残るは写真類と遺品類。写真類については今回着手、残部多数。あと5日くらいかかる。遺品については見当がつかない。
追加調査2回くらい必要。
流れ作業として採寸等を手伝ってもらわなければ、昨年発見分の来簡については目処が立たない。
(報告者:安田忠典)
前回(3月)調査時に申し出た追加小調査を、2002年6月4〜7日に行いました。
資料班:武内、原田、中瀬、小岡、金山
中国書班:飯倉
雑誌班:中西、田村
当初は資料班と雑誌班が行うということで準備していましたが、漢籍調査の進捗状況を考慮して飯倉は主に漢籍について作業を行いました。
資料班は、前回より継続の来簡整理(中瀬、小岡、金山、武内)、写真類整理(武内)に加えミナカタソサエティ時の資料(乾元社の筆写原稿など、段ボール箱2箱)の整理(原田)を始めました。来簡は全体の1/3(目分量)まで確認を進めました。
中国書班は、三月に作業を始めた一般書籍とは別に、一階階段下に山積みされている『古今図書集成』にも多数の書き込みを発見し、なんとか半分近くを見ました。夏の調査で、残りを見終わる予定。他の中国書は、8月下旬に協力者一名を得て片づけたいと考えています。
雑誌班は、前回より継続の和雑誌資料確認及び資料番号付与を進めました。総箱数31(未梱包分の発見や他班からの資料移管により箱数が増えています)のうち12箱が処理済みとなりました。
中国書及び雑誌については今後も相当量の作業が必要と思われ、7月の全体調査に加えて8月末にも小調査を行いたいと考えています。資料班も、残り作業量は相当と思われ、この小調査への参加も検討しています。
(報告者:田村義也)