こんな教訓が得られるんじゃなかろうか?
いろいろ見ているうちに、こんな教訓ができるんじゃないかと思って、
作ってみました。
1:やっぱり帰化生物は怖い
ビオトープが本来の自然を呼び戻すためのものであれば、日本産、
それもその土地在来の生物だけで構成するべきでしょう。しかし、
現状では帰化生物(特に雑草)を完全に排除することはできません。
しかし、可能な限り侵入させるべきではないと思います。
特に、アメリカザリガニ・ホテイアオイ・オオカナダモなどは
美しいとか、面白いとか、手軽とかの理由で利用されることが
あるようですが、時に大発生を引き起こし、後で排除するのに
苦労すると聞いています。
アメリカザリガニは一般にはそれほど大きな被害をもたらすとは思われ
ていない(最近では)けれど、やはり日本の生物群との問題を起こす
可能性があるんだと思います。
帰化生物はどう怖いか
2:この分野に専門家はいない
ビオトープ作りの専門家というのはいない、と断定してしまいましょう。
理由は2つ。1つは、ビオトープというものの在り方が様々だから。つまり、
だれが作るか、どこに作るか、どう利用するか、なにを目的にするか等
あまりにも多くの局面があるからです。生物的視点も、物理的視点も、
工学的視点も、社会的視点も、まだまだなにやら必要としそうですし、
逆にそれらをそこそこにわきまえていればいいのかというと、とてもそうは
思われません。
もう1つは、歴史が浅いこと。まだまだ専門家が育つには時間が
なさ過ぎましょう。生態学はそのような部分を埋めるべき学問かとは思いますが、現在の
生態学はそのような役に立つようにはなっていないように思います。
3:専門業者はあてにならない
そのように名のっている業者さんもいるようですが、まずあてには
ならないでしょう。そもそもこれが産業になりうる状況はごく
最近のものです。当然そういう業者さんはそれまでは別の仕事を
していたわけで、それは造園であれ、土木であれ、いずれにせよ
生物の視点をもっていません。それではビオトープがまともなものに
なるわけがない。手っ取り早く作り上げるために水草などを
遠隔地から取り寄せたために、その地域にいないはずのトンボが発生した
例なども聞いています。恐らく遠くの地で天然のものをはぎ取って来て、
しかもそれによって自然の分布をめちゃくちゃにする、
これでは大変な自然破壊です。
いまの建築や土木技術は、自然を活かすような配慮をこれまでして
こなかったし、いまだにその知識はあてにはならないでしょう。たとえば
、砂浜の砂止めのような工事がいまだにまともにできない。
田辺や白浜で繰り返されて来たこの手の工事が、効果を上げたためしが
ありません。もう何度工事をしたことやら。白浜ではついに
オーストラリアから砂を輸入する始末です。
これでは川の流れや砂の
動きを配慮した工事ができるわけがない。その上に生物のことを考えろと
いうのが無理です。要するにそういうレベルなので。
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