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◆池の鶴(いけのつる)

所在:五木村丙(へい)
地形図:頭地/頭地
形態:川沿いに家屋や施設が集まる
離村の背景:ダム建設計画
標高:約250m
訪問:2024年5月

 

 大字丙の南東部、五木小川(いつきおがわ)(川辺(かわべ)川支流)の右岸にある。現在計画中の川辺川ダムにより離村。
 資料『川辺川ダムと五木村』によると、昭和56年20世帯53人。五木中学校および人吉高等学校五木分校があった。五木中学校は、五木第一中学校および同第二中学校、ほか4つの分校が統合し、平成7年4月1日に開校したもの。高等学校は、昭和47年4月1日ダム関連対策事業のひとつとして開校したもの(普通科1教室)。なお中高新校舎は頭地(とうぢ)代替地の西側に移転(※1)
 また村議会の広報誌「やまめ」(平成25年1月)によると、当地にあった住居は村営住宅や教員住宅などであり、これらも頭地
代替地へ移転したとのこと。

※1 村のウェブサイトによると、平成19年9月1日新校舎にて授業開始(10月25日落成式)。平成20年3月旧校舎解体開始

 現在集落跡には、多目的の公園施設である五木源(ごきげん)パークが整備されており、往時の面影はない。久領との間に架かる池鶴(いけのつる)橋(写真2)が数少ない名残か。
 1970年代の航空写真を見る限り、概ね公園のグラウンド(多目的広場)の東半分が校庭、西半分が校舎、東の駐車場から芝生広場北東の縁にかけて住宅が並んでいることが分かる。
 なお当該施設はダム建設が撤回されたのちに整備されたものであったが、令和2年7月の豪雨を契機としてダムは再度着工、再び水没予定地となった(※2)

※2 国土交通省九州地方整備局のウェブサイトによると、平成20年に県知事がダムの建設計画を撤回すべきと表明。平成21年、国土交通大臣がダム本体工事の中止を表明。令和2年7月の豪雨ののち、同年11月、県知事が新たに流水型ダムを国に求めることを表明。なお五木源パークは平成27年3月21日落成式

 


写真1 集落跡を望む(高野(たかの)橋より撮影)

写真2 池鶴橋より集落方面を見る

写真3 学校跡(多目的広場)

写真4 住宅跡(公園駐車場)

写真5 移転前の写真(池の鶴は写真下方)(高野橋の欄干にて)

 

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