◆影浦(かげうら)

※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「石鎚山」(昭和22.3)を使用したものである
所在:西条市丹原町楠窪(たんばらちょうくすくぼ)
地形図:石鎚山/石鎚山 伊予小松/西条
形態:山中に家屋が集まる
離村の背景:多くが火災。その後自然消滅
標高:約400m
訪問:2008年8月・2018年1月
大字楠窪の中部西寄り、志河(しこ)川左岸の斜面にある。
現在は林道楠窪余野(よの)線が通じ付近まで車輌での訪問が容易。角立の方の話では、林業で暮らしていた集落。火災があり離散したが1軒が残った。最近の地図でも1軒の建物が見られ、訪れてみると屋敷跡と思われる場所に作業小屋のようなものが残っていた。周囲には農地の跡も見られる。なお同じく林道沿いにある角立は大字明河(みょうが)の所属となるが、影浦は楠窪の所属となる。
2018年再訪。新たに墓地の跡と別の場所に崩れた小屋(写真4)を確認。
資料『桜樹村の足跡』によると、最盛期6、7戸35名前後(別の記述では最盛期に8戸)で、昭和56年最後の1戸が転出し無住となったとのこと。昭和18年には大火により集落が全焼した。畑作・林業・炭焼き・楮や三椏の栽培などで暮らしていたという。地蔵堂があったがこれも焼失し、昭和19年6月に再建された。なお堂宇は刊行当時(昭和60年)の時点で現存しているとのことだが、当方では未確認。また荒神社・白鳥神社の跡にはそれぞれ「明治四十年合祀令により素鵞神社に合祀す」と記された碑があるようだが、これも未確認。後者は集落の氏神。
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