◆鍵掛(かぎかけ)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「劍山」(昭和28.9)を使用したものである
所在:美馬市穴吹町口山(あなぶきちょうくちやま) 地形図:阿波川井/剣山
異読み:かいがけ?(旧版地形図)
形態:川沿いの斜面に家屋が多数集まる
離村の背景:移転事業
標高:約160〜380m
訪問:2011年11月
大字口山の南部、穴吹川左岸にある。
町誌によると、昭和50年・51年の集中的な台風被害により、「防災移転促進法」に基づき集団移転したという。移転時は、久保4・青木2・井本2・大西2・細川2、ほか21の33世帯。昭和35年49戸267人(うち農家40戸)。背後にある高尾山(※)付近が早く拓かれ、次第に下方へ移ったといわれ、高尾には古い墓がたくさん残っている。友内山にある友内神社の裏参道となっていたため、毎年春秋の祭日が近づくと鍵掛の青年は道直しをしていたとのこと。
現在も集落は非常にきれいで、一見して離村した集落とは分からないほど。現在でも住めそうな家屋が残り、夜には街灯も灯っている。車道の終点には堂宇があり、町誌によるとこれは「薬師堂」。境内に地蔵尊が祀られているという。ここより先にも山道が通じており、農地の跡や宅地も見られる。なお町誌には本尊を薬師如来とする「堂」があるとの記述もあるが、「地蔵堂」と同一のものだろうか。
※ 友内山の東にあるピーク(標高963m)と思われる
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