◆虹橋(にじばし?)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「山口」(昭和21.10)を使用したものである
所在:山口市上天花町(かみてんげまち)
地形図:山口/山口
形態:川沿いに家屋が集まる
離村の背景:ダム建設
標高:約100m?(水面は約120m)
訪問:2023年1月
上天花町の南部、一の坂(いちのさか)川(仁保(にほ)川支流)沿いにある。現在は一の坂ダムの人造湖(錦鶏(きんけい)湖)に水没。
ダムの説明板「一の坂ダムのあらまし」によると、ダムは昭和46年着工、同58年完成。水没戸数9戸、水没田畑374aとあるが、水没地は上流の畑地区も含まれており当地のみの数は不明。
なお市史(昭和30年)において、上宇野令(かみうのれい)村が山口市に合併した際の「当時の部落名」の中に「虹橋」は見られない。また市史(昭和57年)の「地名」においても、上宇野令に「虹橋」は見当たらない。公的な地名ではなく、天花の一部の通称であったと思われる。
訪問時はやや水位が低かったため、往時の農地の石垣を確認することができた。
なお水没前は橋梁の「虹橋」が存在しており、天花にはこれを詠んだ漢詩(虹橋跨水)の碑が置かれている(※)。
※ 応安6(1373)年頃、明からの使者・趙秩(ちょうちつ)が、山口に滞在し10箇所の景勝地の漢詩を詠んだ(山口十境詩)。「虹橋跨水」はその一つ。碑は大内文化まちづくりプロジェクト実行委員会により、平成15年度から平成25年度に亘り整備された(市のウェブサイトより参照)
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