◆平(たいら)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「栗栖川」(昭和28.6)を使用したものである
所在:田辺市面川(めんがわ)
地形図:合川/栗栖川
アクセント:タイラ
形態:山中に家屋が集まる
離村の背景:移転事業
標高:約320〜360m
訪問:2010年2月
大字面川南部の山中にある。
面川の中心部(下地(しもじ))より谷を遡ると着くことができるが、訪問時は誤った谷筋を登ってしまったため上部の林道まで出てしまった。その後元住民の方と話をする機会があったので、登り口まで案内していただき集落を訪れることができた。
集落は、斜面に沿って石垣で段々になった農地が広がっている。廃屋が2軒、屋敷跡が2箇所見られ、1軒は集落に入ってすぐ、ほか3軒は上部にだいたい集まっている。上部西端には墓地跡、上部中央には石仏(写真7)や祠(写真8)が見られる。
元住民の話では、かつては4軒。姓は平野(ひらの)が3軒(親戚どうし)、高垣(たかがき)が1軒。もともとは平野家のみだったが、いつしか高垣家が下地より転入。昭和46年、近隣の大熊とともに行政による集落再編成事業により全戸転出した。2軒が村内鮎川(あゆかわ)の団地に、もう2軒は上富田町に居を構えた。林業で収入を得ながら、自給用の田畑で耕作も行っていた。各戸で飼っていた鶏の卵や、狩猟で得たイノシシなどの肉も食料となった。また時おり行商人がやって来て、魚などを買っていたという。集落にある石仏(前述)は金比羅さん、祠は水神を祀ったもの。
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