◆二又(ふたまた)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「大町」(昭和24.11)を使用したものである
所在:小川村小根山(おねやま) 地形図:高府/大町
形態:谷沿いに家屋が少数集まる
離村の背景:集落移転事業
標高:約600m
訪問:2008年5月・2015年11月
大字瀬戸川の古山(ふるやま)地区の山中、沢入(さわいり)沢沿いにあり、散在する小集落への分岐点にあたる。
地元で炭焼きをしている方(中屋敷のページ参照)の話では、小林(こばやし)姓2・戸谷(とたに)姓1・徳岳(とくたけ)姓1の計4軒。集落移転事業により坂野瀬(さかのせ)の村営住宅へ転出。なお手前の沢入(さわいり)集落には、かつて北小川小学校沢入分校があった。
集落に着くと、まず1軒の白壁の家屋が目に入る。一見するとこの1軒にしか気づかないが、もう1軒、深い竹藪に覆われた家屋も残っている(写真1)。そしてさらに、中畑の帰り際にはもう1箇所の屋敷跡を見つけることができた(写真2)。ここには生活用品が散らばるほか、三日月の形が彫られた小さな祠がある(写真3)。
村誌によると、当地にも学校が置かれていたよう。明治9年11月に瀬川学校の二又支校として設置され、明治20年4月には二又簡易学校となった。明治24年に村内の学校が大幅に改変しているが、この時までに閉鎖されている(明治24年4月、沢入分教場開設)。
また資料『桐山の民俗』によると、文政8(1825)年12戸(「馬曲村絵図」)、天保10(1839)年12戸(同)、明治35年13戸72人、昭和47年6戸27人。巻末の「話者一覧表」では、11名全員が清水氏。
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