◆西越(にしごし)開拓地
所在:長野市鬼無里
地形図:戸隠/戸隠
形態:山中の平坦地に家屋が散在する
標高:1,050〜1,100m
訪問:2008年5月
一夜山(いちやさん)の北東、冷(つめた)沢の上流にある。
現地は緩やかな傾斜が広がっており、広い農地跡が見られる。植林もされていないのでたいへん開けた印象がある。作業小屋のような平屋の建物が数軒点在しており、中にはいろりや生活用品も見られる。東側には、現役の畑とトラクター、人家に近い造りの家屋もある。集落を少し入ると「原山傳翁之碑」が建っている(写真5)。氏は開拓に貢献した人物らしい。以下は碑の裏に刻まれた文章全文。(■は判読できず)
畧歴
故原山傳翁は明治三十二年三月三十日財又部落原山亀吉郎■長男に生れ幼少より大度活淡■■…■■昭和十七年戦時中の食糧難に鑑み十八部落共有地西越地区を■■開墾に着手される 昭和二十九年終戦後の食糧増産を期に国■に従い西越開拓地として開放し以来先駆者として率先 部落入植者の指導に当たっ■■…■■二ヘクタール余の開田となり農業経営の基盤を作る また翁は地域開発のため林道財又線の開発に尽力され開拓地え(ママ)の要路とされた
今回西越開拓十三周年に当り開拓に貢献された翁の偉業を偲び■■…■■立派な成果を挙げられた功労を永遠に讃える
昭和四十四年八月十五日建立
(以下略)
なお碑には有沢・戸谷・原山・加藤・曽根石・樋口などといった姓が見られる。おそらく石碑の建立に関わった入植者なのだろう。
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