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◆数納(すのう)



※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「八尾」(昭和32.10)を使用したものである

所在:富山市山田数納字中棚(なかだな)
地形図:山田温泉/八尾
形態:山中に家屋が集まる
標高:約450m
訪問:2011年6月

 

 村の南部、山田川右岸山中にある
 集落の中央部付近には祠と碑があり(写真1)、学校(鍋谷(なべだに)小学校数納冬季分校)もこの付近と思われる。周囲の林の中には、屋敷跡の平地がいくらか見られる。ある屋敷跡では、何かの小屋も見られた。集落には猿丸大夫(=三十六歌仙の一人)の塚(写真2)があるが、古今和歌集の「おくやまにもみぢふみわけ―」の歌は当地で詠まれたものであるという(富山市の観光ガイドより)。
 村史によると、無人化は昭和46年12月18日。産物として繭・和紙・柿(柿渋・串柿に用いる)・木炭・雑穀・山菜を挙げている。千光寺(砺波市芹谷(せりだに))・西蓮寺(庄川町【現・砺波市】三谷(みたに))の発祥の地。学校は昭和26年から46年まで開かれていた。以下は各戸の状況。

番号 屋号 明治5.2 明治30.1 大正15.4 昭和24.8 移転時期 移転先 備考
1 あつちや 谷口 昭和46 八尾町【現・富山市】  
2 山岸 昭和43 富山市  
3 (記載なし) 上井 (記載なし) (記載なし)  
4 中林 昭和43 婦中町【現・富山市】 千光寺跡
5 鈴木 明治42 北海道  
6 中屋 数井 昭和45 婦中町  
7 山口 昭和43 八尾町  
8 西 西野 昭和46  
9 井上 昭和45 婦中町  
10 嘉左エ門 米沢 昭和39 八尾町 明治41年利賀村【現・南砺市】百瀬川(ももせがわ)より
11 卯之助 数井 昭和42 富山市 大正13年中屋より分家
12 いななくぼ 米沢 昭和35 昭和14年嘉左エ門より分家
13 (記載なし) 中林 昭和37 婦中町  

 資料『村の記憶』によると、串柿や木炭を製造(戦前は養蚕や和紙作りも)し、自給用の田畑を耕作して生活していたという。
 なお大字数納は近世の婦負郡山田郷の数納村
。明治22年山田村の大字となる。昭和5年9戸108人(角川)。

 


写真1 祠と碑

写真2 「猿丸大夫之塚」

写真3 屋敷跡

写真4 何かの跡?

 

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