◆鹿野沢(かのさわ)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「大子」(昭和26.12)を使用したものである
所在:大子町袋田(ふくろだ)字鹿之沢
地形図:大中宿/大子
異表記:鹿ノ沢
形態:山中に家屋が散在する
標高:約300m
訪問:2009年8月
久慈(くじ)川左岸の山中にある。古い地図では、主稜から派生したいくつかの尾根上に、それぞれ2軒・1軒・2軒の建物が見られる。
地元の方(定本(さだもと)在住)の話では、家は松本(まつもと)姓・横山(よこやま)姓・神長(かみなが)姓の3軒。前2軒は大字頃藤(ころふじ)長久保(ながくぼ)に、神長家は大字袋田の丸木(まるぎ)に転出した。戦後にはまだ人が暮らしていたという。炭焼・農業(自給用?)が主な生業。
集落跡へは定本より2つのルートがあるが、最近の地図の破線部は進むことが困難。沢伝いに僅かな足場を歩き、滝の上まで登ってみたが道らしい道が見当たらなかったために引き返した。別の谷から登る道(旧版地形図には記載)のほうが踏み跡もしっかりしており格段に歩きやすい。途中には炭焼き窯の跡もあるが、こちらが主要な道だったのだろうか。現地では2箇所の屋敷跡を確認。道はほとんど残っていないが、ちょうど測量が行われた直後で、いくらか目印が残っていたためにあまり迷わずに済んだ。なお測量の方には登りしなに出会ったが、話では墓地の跡もあるという。これは残念ながら見つけることができなかった。
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