◆藤の岱(ふじのたい)

※ この地図は、国土地理院発行の1/50,000地形図「十和田湖」(昭和49.2)を使用したものである
所在:鹿角市十和田大湯(とわだおおゆ)
地形図:小坂鉱山/十和田湖
形態:緩い尾根上に家屋が集まる
標高:約380m
訪問:2016年5月
大字大湯の中部北西寄り、大湯川左岸側の山中にある。
資料『戦後開拓のあゆみ』によると、戦後の開拓集落で昭和22年地元の次男三男ら20戸が入植。雑穀主体の営農をしていたが、交通状態の不便さから昭和38年までに12戸が離農(※)。刊行時(昭和48)では8戸が和牛飼育や畑作のため大湯近郊から通っているとのことで、常住世帯が既になくなっていることが窺える。
また資料『秋田・消えた開拓村の記録』によると、移転は昭和39年。昭和21年に20戸が入植したが翌年には5戸となり、同年に堀内(ほりない)の次男三男7戸が入植。昭和24年には初年の5戸も離村し、昭和22年に入植した7戸により本格的に開墾が開始。大豆・小豆を主体にしていたが、生産量が漸減したため炭焼きを副業にしていた。
現地には「招魂碑」(平成7年設置。写真1)が置かれ、入植者として湯瀬氏10名、宮澤氏2名の名が刻まれている。なおここで記載されている入植年は昭和22年。先述の和牛放は現在も行われており、牧草地が広がる。
※ 同書でいう「離農」は、離村を指すものではなく耕作の放棄を意味するもの
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