◆十杭沢(じっくいざわ)

※ この地図は、国土地理院発行の1/50,000地形図「大葛」(昭和50.3)を使用したものである
所在:大館市比内町小坪沢(ひないまちおつぼざわ)
地形図:明利又/大葛
形態:川沿いに家屋が集まる
標高:約130m
訪問:2016年5月
大字小坪沢の南部、十抗(じこう)沢(米代(よねしろ)川の二次支流)沿いにある。
資料『戦後開拓のあゆみ』によると、戦後の開拓集落で昭和26年に4戸が入植したとのこと。畑作の営農を行っていたが、昭和37年に全戸離農(※)。
また資料『秋田・消えた開拓村の記録』によると、入植は5戸。離村は昭和38年。大豆・小豆・陸稲などを栽培したが、収穫は漸減。昭和37年に解散を決め2戸がパラグアイに、2戸が町内に、1戸が県外に転出した。
現在、集落の痕跡は皆無。川沿いに平坦な土地が広く見られるものの、屋敷跡・農地跡ともに判然としない。なお河川名としては「十抗沢」で最近の地形図でも「じこう」のルビが振られているが、小坪沢での聞き取りでも集落名としては「十杭沢」で通っているよう。また「角川」の小字一覧には小坪沢の小字として「十杭」があり、「ズツクエ」のルビが振られている。この表音は訛りによるものだろう(実際の「ツ」は促音と思われる)。
※ 同書でいう「離農」は、離村を指すものではなく耕作の放棄を意味するもの
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