◆伊奈牛(いなうし)
※ この地図は、国土地理院発行の1/50,000地形図「鴻ノ舞」(昭和47.5)を使用したものである
所在:遠軽町丸瀬布地内(字なし?)
地形図:瀬戸瀬/丸瀬布北部
形態:川沿いに家屋が集まる 離村の背景:産業の衰退
標高:200m前後?
訪問:2012年5月
町の北東部、伊奈牛川沿いにある。北見鉱山に伴う鉱山集落。地図サイトを見る限り、現在いずれの行政字にも属していないよう。
以下は市史より。
北見鉱山は、住友(のち住友金属鉱山)が昭和8年に試掘権を譲り受け試掘開始
有望坑を発見後、鴻之舞の直轄で開発することになり、昭和9年伊奈牛に事務所兼坑長宅・長屋3棟(1棟あたり8戸)・合宿所1棟を建設
昭和17年、伊奈牛33戸。長屋4棟32戸と坑長1戸
昭和18年鴻之舞の休山により同地の人員や施設の一部が金山(かなやま)(※1)に移された。本格的に銅・鉛・亜鉛鉱山として操業開始。昭和19年には金山にも社宅街が形成された。それまで鴻之舞の採鉱課に属し伊奈牛坑と呼ばれていたが、昭和23年伊奈牛鉱山となり、同25年北見鉱業所となった
昭和30年、規模を縮小し操業を一時停止、北見鉱山に降格。このとき伊奈牛社宅を撤収し、金山に集結(昭和30年10月当時の住宅図「鉱山地区にいた人々」には、伊奈牛に計131戸のほか、配給所・浴場が記載されている)
昭和34年操業再開
昭和38年閉山
※1 伊奈牛同様、北見鉱山に伴う社宅等があった地区。閉山から昭和42年まで「東栄」と呼ばれた
以下は学校の沿革と児童数の変遷
昭和20.4.1 |
伊奈牛沢の鉱山施設を改造し、丸瀬布国民学校伊奈牛分教室設置(無認可) |
昭和23.4.1 |
丸瀬布小学校伊奈牛分教場として認可 |
昭和24.10.11 |
伊奈牛小学校として認可 |
昭和26 |
金山へ校舎移転
(以降、昭和38年4月1日丸瀬布小学校金山分校となる。同年8月31日廃校) |
昭和20 |
昭和21 |
昭和22 |
昭和23 |
昭和24 |
昭和25 |
昭和26 |
昭和27 |
昭和28 |
昭和29 |
昭和30 |
昭和31 |
昭和32 |
昭和33 |
昭和34 |
昭和35 |
昭和36 |
昭和37 |
昭和38 |
88 |
? |
? |
91 |
118 |
186 |
273 |
256 |
274 |
307 |
321 |
205 |
205 |
203 |
217 |
205 |
192 |
157 |
(※2) |
※2 3月102人。4月より1-4年生のみの通学で47人
現地では林道沿いに坑口(写真2)が見られたのみで、その他の痕跡は見つからず。なお伊奈牛林道からは金湧林道・金白林道・銅鉱沢林道と、かつての鉱山にちなんだ名称の林道が分岐している。
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