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◆弥栄(やさか)



※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「大竹」(昭和21.11)を使用したものである

所在:岩国市美和町百合谷(みわまちゆりたに)(および同美和町岸根(がんね))?/大竹市後飯谷(うしろいいたに)
地形図:大竹/大竹
形態:川沿いに家屋が集まる
標高:約50m?(水面は約100m)
訪問:2021年12月

 

 大字百合谷の北部、小瀬川と長谷川との合流部付近にある。現在は弥栄ダムの人造湖(弥栄湖)に水没。湖は山口・広島両県に亘って広がっているが、建物の多くは山口県側に集まっていたよう。
 最近の地形図で「弥栄」と記されている場所では、食事処やレジャー施設などが所在。水没地から移設された石造物群(柳原翁表徳碑・杉民治の碑・三分一健作祈祷塚(※))(写真9)や古木(写真10)も見られる。
枝道には簡素な家屋も建てられているが、水没地の住民のものだろうか。
 古い地形図に記されている建物群は完全に水没のため痕跡は確認できないが、現在の弥栄地区の対岸では農地跡や発電所の一部の遺構が見られた。なお1960年代以降の航空写真ではこの建物群のほかに国道沿いに人家のようなものが確認できるが、これも完全に水没している。
 以下は「弥栄湖の由来」(写真2)の碑文。


 古くから、多くの人々に愛され親しまれてきた弥栄峡の地に、小瀬川流域とその周辺の地域発展のためダムが建設され、雄姿を湖面に写す事になった。
 この名勝「弥栄峡」が湖底に眠るダム湖とその周辺を、自然と触れ会う(本文ママ)憩いの場とするため、湖名を広く一般より募集し、この地の永遠の繁栄を祈り、地域の人々に親しまれる名称として「弥栄湖」と定めた

 昭和六十三年四月吉日 ダム湖名称選考委員会


 なおレポート作成にあたって資料『小瀬川弥栄ダム水没地域民俗資料緊急調査報告』を閲覧。町内北山中(きたやまなか)の落合・二ッ野・大峠各集落が詳細に調査されているが、これらの地域が調査対象とされた経緯は不明。

※ 明治7年、この三氏により小瀬川に通船の航路を開鑿する大事業が行われた。開通により山代地方が栄えることを願い、「弥栄」の地名が生まれたという(解説板より)

 


(写真1 ダム堰堤)


(写真2 碑)

写真3 旧版地形図の地名表記部分。写真左奥は広島県

写真4 水没建物付近(対岸は現在の弥栄地区)

写真5 発電所の一部跡地

写真6 農地跡

写真7 パークゴルフ場と弥栄大橋

写真8 現在の弥栄地区

写真9 移設された石碑等

写真10 移設された古木

 

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