◆無路原(むろばら/ムロンバラ)
※ この地図は、国土地理院発行の1/50,000地形図「三瓶山」(昭和35.9)を使用したものである
所在:美郷町信喜(しき)
地形図:石見小原/三瓶山
異表記:室原
アクセント:ムロバラ・ムロンバラ
形態:川沿いの斜面に家屋が集まる 離村の背景:ダム建設 標高:7、80m
訪問:2012年8月
大字信喜の北部、江(ごう)の川右岸にある。信喜の領域はそのほとんどが左岸にあるが、当集落を飛び地状に含む。
以下はかつての住民(上川戸(かみかわど)在住)の話をまとめたもの
集落の祖は福田右京之助(ふくだ・うきょうのすけ)なる人物。青杉(あおすぎ)城(集落西方、青杉ヶ城山にあった)陥落の際に逃げ延び、当地を開いたという
離村は昭和28年の浜原(はまはら)ダム工事の着工に伴うもの。当時の全世帯(6戸)が移転料を受け転出し、ほとんどが同年のうちに退去した。ただし宅地は水没を免れ、農地のみが沈んだ
全戸が波多野(はだの)家
「室原」とも表記される
集落内の農地は畑のみで、自給用の麦や粟を耕作。田は左岸の信喜にあり舟で通っていたが、ほとんどの家で食べるのがやっとの収穫量しかなかった
戦後頃は養蚕を生業とする家が多かった
通学は、信喜の石見(いしみ)にあった分校に各戸の舟で通っていた
なお集落付近で会った方の話では、現在は事業(湖底の土砂を取り除き、貯水量を保つ)の用地となっているという。湖畔にある筏のような大きな物は、浚渫に用いるものか。
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