◆成日照(なるひでり)
※ 明色部
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「日原」(昭和33.5)を加工し使用したものである
所在:津和野町左鐙(さぶみ)
地形図:日原/日原
アクセント:ナルヒデリ
形態:川沿いに家屋が集まる
標高:約80m
訪問:2015年8月
大字左鐙の北西部、高津(たかつ)川左岸にある。
町史によると、昭和37年の時点で3戸。
また同書や資料『日原風土記』によると、一時は「たたら」(※)や鉱山により栄えていたことが窺える。たたらは天保12(1841)年より置かれ製鉄が行われていたが、明治10年経営に行き詰まり廃止(当時の経営は成日照の水津氏)。成日照たたらはこの地方最後のたたらであったため、これにより一円のたたら製鉄事業は終熄を迎える。また明治10年頃から20年頃まで銅山での採掘が行われ、最盛期には飯場が上・中・下に8軒ずつ、商店もあったという。なお鉱山は安政以前にも採掘されていた。
訪問は右岸の車道で集落の対岸まで行き、渡渉。たたらや銅山のことは把握していなかったため、探索は川の近くのみ。屋敷跡1箇所と谷沿いの農地跡を確認。
※ 一帯では「鑪」(簡易体で「鈩」)の字を充てるのが一般的なようで、鈩床・鈩原といったたたら地名も散見される
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