◆猪木谷(いのきだに)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「津和野」(昭和33.5)を使用したものである
所在:津和野町左鐙(さぶみ)
地形図:安蔵寺山/津和野
異表記:猪退谷
アクセント:イノキダニ
形態:谷沿いに家屋が集まる
標高:約220m〜?
訪問:2015年8月
大字左鐙の中部、猪木谷川(猪退谷川)(横道(よこみち)川の支流)沿いにある。
町史によると、昭和37年の時点で4戸。また下横道(しもよこみち)で伺った話では、分かるもので松林(まつばやし)・川崎(かわさき)・佐々木(ささき)・吉川(きっかわ)・藤井(ふじい)・中田(なかた)各家の6、7軒(川崎家が2世帯?)。水田はなく、畑も含め農業はごく僅か。炭焼きや営林署関係の林業(造林・伐採・搬出)で暮らしていたという。現在の林道はかつてのトロッコ道で、右岸の橋の袂まで通じていたという。
現地で確認できた屋敷跡は皆無。農地もなかったとのことなので、集落らしい痕跡は何も見出せなかった。谷沿いにはワサビ田が断片的に見られるが、これは最近になって作られたものとのこと。
なお表記については、地形図では「猪退谷」(ただし谷の名称として)、町史では集落として「猪退谷」だが「猪木谷」も併記。地元で伺った話では「猪木谷」が主流であるようで、見出しはこれに従った。橋梁の名称も「猪木谷橋」。
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