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◆水ヶ峰(みずがみね/ミズガムネ)

所在:野迫川村北股(きたまた)
地形図:梁瀬/伯母子岳
異表記:水ヶ峯
形態:稜線上に家屋が集まる
離村の背景:参詣者の減少
標高:約1,070m
訪問:2011年4月

 

 大字北股の西部、水ヶ峰(みずがみね)(=山の名)のすぐ近くにある。ほぼ和歌山との県境に位置し、すぐ北で高野町と接する。熊野古道・小辺路(こへち)の旅籠として栄えた集落。
 村史にも「消え去った集落」として挙げられており、これによると古くは4戸。明治32、3年頃には8戸の宿が軒を並べていたという。その後交通の発達に伴い通行者が減少、集落は衰退し昭和27年5月に無人になった。
 各戸の動向は以下のとおり。

屋号 移転先 時期
西田   大字北股(上垣内(かみがいと) 大正初め
西本 小西屋  
酒谷   大字北股(北股)  
江戸    
西本    
西田 山口屋 高野町  
西本 西利?(※1)  
江戸 今出屋

和歌山・渋田(※2)

 

※1 後述の道標に、「高野山 西利 西本  仝 小西屋 西本」とある。
※2 かつらぎ町の渋田地区か


 訪問は国道371号(高野龍神スカイライン)より。脇にある分岐を登ると、ほどなくして集落跡に着く(反対側の林道タイノ原線からは、軽自動車程度ならば乗り入れが可能)。かつての街道に沿い屋敷跡らしき平坦地がいくらか見られ、便所の穴や瀬戸物のかけらなどかつての生活を窺わせるものが僅かに残る。一部の道脇にはスギの老木が並んでいるが、これは後で知るところによると防風のためのもの(写真4)。集落の西側は墓地(写真5)。古びた墓石や石仏が置かれる中、旧住民の関係者により建てられた新しい道標(平成21年建立)が目立つ。村史の概略図にある神社(山の神)は見過ごしてしまった。
 なお登り口付近には朽ちた鳥居と石の土台のようなものがあるが、ここからは荒神岳と北側のピークを望むことができる。灯籠?には「荒神宮」と刻まれていることから、荒神岳と荒神社の遥拝所と思われる(写真8)。

 


写真1 屋敷跡


写真2 瀬戸物片


写真3 道標


写真4 道とスギの並木


写真5 墓地。手前は道標


写真6 平坦地


写真7 集落からの眺め


写真8 遥拝所(国道沿いにて)

 

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