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◆次郎九郎(じろくろ・じろうくろう
(畑(はた?)



※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「龜山」(昭和27.1)を使用したものである

在:甲賀市甲賀町神(こうかちょうかみ)字藤木
地形図:鈴鹿峠/亀山
形態:川沿いに家屋が散在する
標高:約280m
訪問:2008年8月

 

 大字神の中北部、次郎九郎川(野洲(やす)川の二次支流)沿いにある。
 周囲を囲む山々はなだらかで視界も開け、山中の集落という印象はない。しかし流域では高速道路をはじめ開発・整備が進み、かつての面影はほとんどない。1軒だけ残っていた廃屋(写真1)は、右岸の小高い場所にある。上流の右岸は比較的かつての雰囲気が残っているが、対岸は広い範囲に整備が及び「クリーンセンター滋賀 浸出水処理棟」という真新しい施設が建っている(写真2)。廃屋の隣の土地もかつての屋敷跡だったようで、整地された地面にはタイルなどが混じり、隅には畳や廃材が積まれている。さらに上手には小規模な墓地がある(写真5)。開発に追いやられたように寂れた雰囲気

 資料『ふるさと神村』によると、かつて次郎九郎という人物が住んでいたためこのように呼ばれたとのこと。異称の「畑」は、谷の水量が少なく稲作よりも畑作の方が多かったためこのように呼ばれたのだろうと推察している。山に囲まれながらも肥沃で、粟・黍・蔬菜が作られ谷間では水稲が栽培されていた。甲賀町内ではあるが、東海道の宿場町でもあった土山町【現・甲賀市】に近かったため土山の経済圏であったという。近年は3戸、多い時で5戸。都市部や神地内への転出が続き、平成11年には1戸が残るのみとなった(刊行は同年)。道路は町道次良九郎線。
 また甲賀市史では、集落名は「じろくろ」、河川名は「じろうくろう」とルビが振られている。滝谷とともに、無住となった集落として挙げられている(刊行は平成28年)。

 


写真1 廃屋


写真2 施設


写真3 小屋と平坦地

写真4 橋と道路

写真5 墓地

 

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