◆椹尾(さわらお)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「田口」(昭和34.4)を使用したものである
所在:設楽町松戸(まつど)(図中の「沢尾」)・設楽町田峯(だみね)(図中の「椹尾」)
地形図:田口/田口
形態:川沿いに家屋が集まる
標高:約520m(「沢尾」)
訪問:2011年5月
大字松戸の北西部にある(「沢尾」)。
町誌などから「椹尾」という集落が存在することは確かなのだが、地図上の「椹尾」は集落が立地するような雰囲気ではなく、数世帯が生活できるような場所は「沢尾」に当たる。両者の関連は不明だが、ここでは「沢尾」を椹尾集落と仮定して解説する。
当集落を通る林道は、かつて林業で栄えていた頃に敷設されていた森林軌道・椹尾線の路線跡。町誌によると、椹尾線は昭和9年に開通。森林開発が本格化し、「秋田木材製材所」や営林署の事務所が設立され関係者たちが居住。最盛期には雑貨店が1軒あったという。また同書の「地区別の世帯数と人口の推移」には明治初期0戸、昭和36年9戸26人とあり、後年になって興された林業集落であることが分かる。
現地は川沿いの平坦地で、特に林道から山側で廃屋やいくらかの屋敷跡が確認できる。谷側も広く平坦であるが屋敷跡が1箇所?のほか、碑の基礎ような何かの跡(写真3)が見られた程度。
※ 2021年追記
昭和7年発行の同図郭の地形図(ただし図葉名は「本郷」)において、「澤尾」に「サワラオ」のルビを確認(註:表記ママ。「ヲ」に非ず)。また「椹尾」の記載はなし
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