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◆山手(やまて)



※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「冠山」(昭和33.5)を使用したものである

所在:揖斐川町山手地形図:美濃徳山/冠山
形態:川沿いに家屋が集まる
離村の背景:ダム建設
標高:約350m(水面は約400m)
訪問:2009年5月

 

 徳山ダムの人造湖(徳山湖)に水没した集落。
 徳山小学校山手分校があった。氏神は加茂神社。寺院はない。
 なお大字山手は近世の大野郡山手村。明治22年池田郡徳山村(明治30年揖斐郡)の大字となる。明治2年15戸101人、同14年18戸120人、同22年21戸119人、大正9年27戸119人(「角川」より)。
 磯(いそ)谷付近の湖畔には「山手集落家並図」(写真1。平成19年秋建立)があり、地図とともに故郷を偲ぶ文章が刻まれている。以下はその全文。


 朝は牛首の山を眺めて、分校に通う子どもや山仕事に向かう村人が、明るく声をかけ合う。夕方には自家発電の音がカンカンカンと村に響き、灯りが川面に映るころ夕げの煙が漂う。
 春には残雪の谷にウドを探し、夏は鮎を追う。秋には薪を取り、長い冬は囲炉裏で栃餅を焼き、雪と過ごす。
 時がゆっくり過ぎていく山里の暮らしが昭和五十九年まで続いた。
 ふるさと山手はこの湖の底にある。

 


写真1 記念碑

写真2 社標と記念碑

 

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