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◆深草(ふかくさ)



※ この地図は、大日本帝国陸地測量部発行の1/50,000地形図「鹽山」(大正4.4)を使用したものである

在:甲府市上積翠寺町(かみせきすいじまち)
地形図:甲府北部/塩山
形態:谷沿い
標高:深草観音山門付近―約820m 地名表記付近―約830m
訪問:2020年11月

 

 上積翠寺町の南東部にある。ここでは深草観音付近から岩堂(いわどう)峠を通り、「深草」と記された部分までについて記す。なお岩堂峠よりも東側は春日井町【現・笛吹市】方面に流れる河川の流域となるが、この一帯は稜線を越え上積翠寺町に取り込まれている。
 訪問は上積翠寺町より。林野庁山梨森林管事務局編集のハイキングマップを参照にすると、林道深草線終点から少し進んだ先は「竹の沢旧村跡」となっており、ここには谷に沿って農地の跡が見られる(写真2)。「村跡」とあるが、周囲の雰囲気からごく小規模で離村時期もかなり古いものであるよう(屋敷跡の確認はできなかったが、瀬戸物片が見られた)。深草観音の観音堂(奥の院)は岩壁に掘られた巌窟になっており梯子が設けられているが、脇から歩いて登ることもできる。以下は現地の説明板より。

 高い岩壁を穿ってつくられた観音堂で有名な深草観音は、別名、岩堂観音とも呼ばれています。この地は、要害山の南麓に位置する瑞岩寺の旧地で、灯籠のある場所が山門跡と伝えられています。以前、観音堂の中に安置されていた本尊は現在、瑞岩寺に保管されており、岩穴の中には身代りに三体の観音像が祀ってあります。本尊は高さ一寸八分(5.4p)と小さいものですが、33年に一度開帳される秘仏となっています。

 岩堂峠を越え地図画像の「深草」と記された場所に降りると、小平地と何かの石塔のようなものがある(写真18)。先のマップによると、これの石造物は地蔵菩薩。さらに破線部の道との分岐には石垣が築かれた平坦地(写真21・22)があり、峠の案内図によると瑞岩寺のかつての所在地であったよう。

 


(写真1 林道深草線起点)


写真2 「竹の沢」の風景

写真3 「竹の沢」先の分岐

写真4 写真3の道標。「左、山みち/右、岩と山みち」とある。また相川村(後の春日井村、現笛吹市)早川氏・數野氏の名と、発起人として飯島氏の名が刻まれている

写真5 道中の石仏群

写真6 観音堂手前の手水鉢

写真7 観音堂手前の石塔

写真8 観音堂への参道と灯籠

写真9 参道脇の石仏群

写真10 同

写真11 石仏

写真12 観音堂下の石仏群。左に巌窟へ登る梯子が見える

写真13 巌窟内の観音堂

写真14 蚕種石室跡

写真15 岩堂峠

写真16 峠の案内図より。峠の東に「地蔵菩薩(瑞岩寺旧地)」とある

写真17 小平地

写真18 写真17脇の地蔵菩薩

写真19 写真17付近の瀬戸物片

写真20 道標

写真21 瑞岩寺跡?

写真22 写真21の平坦地

 

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