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◆山王(さんのう)



※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「身延」(昭和22.6)を使用したものである

在:富士川町十谷(じっこく・じゅっこく)
地形図:切石/身延
アクセント:サンノー
形態:山中に家屋が集まる
標高:約680m
訪問:2009年8月

 

 十谷の南東部の山中にある。大字内の他集落とはアクセスがなく、登り口は大字柳川(やながわ)になる。
 地元の方(柳川在住?・山王より手前の山林の所有者)の話では、家は10軒くらいあったのではないかとのこと。昭和50年代には暮らしている人がいたが、平成には既に無人になっていた。炭焼き・林業が生業。この界隈で一番の資産家が住んでいたという。
 
また話では、経路は3通り。このうち地形図に記載されている小径(柳川より延びる)は、途中で崩壊しているという。実際に歩いてみたが、中間付近の谷で道がなくなっており、これを渡っても道がありそうもない。もうひとつは谷沿いに歩き、集落直下より尾根を登るもの。しかしこちらは、最初の堰堤で道が途切れていた。もうひとつは、富士見林道より中富町【現・身延町】大塩(おおしお)に入り、谷に降りて再び斜面を登るもの。かつての住民も、本道が崩壊してから所用の際はこちらを通っていたという。
 
集落に着くと多くの廃屋が残っており(写真1〜7)、母屋が確認できたものは倒潰したもの含め6軒。屋敷跡と思われる場所もあり、これらを合わせると10軒弱がありそう。墓地は固まっておらず、数箇所に散らばっている。中でも中心部にあるものは規模が大きい(写真8)。集落で最も高い場所には神社があり、拝殿・本殿ともに辛うじて残っている(写真9・10)。また人家のうち1箇所には納屋?を改装した東屋があり、旅人を犒うとともに含蓄のある言葉が書かれている。時おり訪問者もあったのだろう。

 


写真1 廃屋

写真2 廃屋

写真3 廃屋

写真4 廃屋

写真5 廃屋

写真6 廃屋

写真7 蔵を兼ねた門

写真8 墓地

写真9 神社・拝殿

写真10 神社・本殿

写真11 拝殿にて

 

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