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◆兎平(うさぎだいら



※ この地図は、大日本帝国陸地測量部発行の1/50,000地形図「湯澤」(大正3.6)を使用したものである

在:南魚沼市清水(しみず)
地形図:
茂倉岳/越後湯沢
異表記:居坪(井坪)
形態:山中に家屋が少数集まる
標高:約950m
訪問:2019年11

 

 大字清水の南部、登(のぼり)川の上流部(本谷)右岸側にある。
 当地は上州と越後を結ぶ清水(しみず)峠越えの街道上にある茶屋集落。ただし本来の清水街道の道筋
ではなく(新・旧とも)、居坪坂経由のルート上にある。
 以下は現地にある中部北陸自然歩道の説明板(写真2)より。


 兎平の元屋敷

 明治7年に政府は居坪坂コースの清水越え道を開通させ、また、明治18年には清水街道(国道291号線)を開通させました。しかし、清水街道は災害等によりまもなく廃道となりました。明治22年になって個人経営による道路開発が計画され、ここ兎平を中心に2里(約8q)の近道が翌23年に開通しました。通行料は一人金2銭、牛馬1頭金3銭を徴収した有料道路ですが、多くの人が利用し賑わいました。
 明治35年には、この兎平に通行者の宿泊茶屋として3軒の家が建ちました。しかし、冬期間は8mもの雪が積もり、生活も楽ではなかったとのことです。通行料徴収をやめた明治40年の翌年には、3軒の宿泊茶屋も店を閉じることになりました。
 当時、生活用水に利用した川は今でも変わらず登山者の水場として利用されています。

 環境省・新潟県中越森林管理署


 訪問は清水集落方面より。車道終点から谷を渡り山道を登ると、ほどなくして集落に到達する。現地には道に沿って僅かな石積みが見られるのみで、痕跡はほぼ皆無。
 なお当地は「居坪(井坪)」とも呼ばれるようで、現地の道標(写真9)には「居坪経由清水集落」「居坪経由清水峠」と記されている(それぞれ当地を中心とした北と南を示している)。また町史には新街道(現国道291号)の開通後(明治19年8月)に清水峠を越えたフランス人の旅行記について言及されているが、その中で「白樺から清水までは人家があるのは県境を越えた居坪(井坪)の茶屋のみで…」という記述がある。

 


写真1 集落遠景(写真中央の平坦地)


写真2 説明板

写真3 沿道の風景

写真4 石積み

写真5 屋敷跡?

写真6 同?

写真7 小川と道(写真右)

写真8 鉄塔

写真9 付近の道標。「居坪」と見える

 

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