◆不津倉(ふづくら)
所在:相模原市緑(みどり)区中野(なかの)
津久井湖に水没した集落。三井(みい)大橋西詰の南で、相模(さがみ)川の右岸にある。 27戸。佐藤・長田の両姓だけだが、寺(有林寺)だけはその両方を取って藤田といった。戦時中に疎開してきた家が1戸ある(資料「津久井湖誕生」より)。 資料『津久井町郷土誌』には中野の小字として「南不津倉」「北不津倉」が見られるが、字地の全域が水没しているよう(それぞれ地番639-752、753-891)。石造物として、馬頭観世音(多数)・秋葉供養塔(灯籠)・六地蔵尊・道祖神・廿三夜塔・六字名号塔・萬霊塔・観世音供養塔のほか、「御大典水道記念碑」があった。 また『津久井湖周辺文化財調査資料 水没地ならびにその周辺よもやまばなし』によると、武田氏と北条氏が三増峠で合戦をした際、武田軍から脱落した武士が当地の祖先であると伝わるという。集落は26戸。昔から佐藤氏・長田氏ばかりであったが、集落内の道路を境として山側が長田氏、川側が佐藤氏とはっきりと分かれていた。ダム工事の際は、最後まで立ち退きを承諾しなかったという。
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