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◆小串(おぐし)鉱山



※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「須坂」(昭和22.12)を使用したものである

在:嬬恋村干俣(ほしまた)
地形図:御飯岳/須坂
形態:山中に家屋や施設が多数集まる
離村の背景:産業の衰退
標高:約1,550〜1,650m
訪問:2013年11

 

 大字干俣の西部、土鍋(どなべ)山の東約1.5kmにある。万座(まんざ)川右岸支流の最上流部で、長野県高山村との境界に近い
 以下は村誌より鉱山の概要。

 鉱山の発見は明治以前といわれる。明治時代、鹿島組が一時硫黄を採取。大正5年大日本硫黄株式会社(のち東洋硫黄株式会社に改称)が創立し、高井鉱山と称し本格的な採鉱が始まった。当初は長野県で操業。大正12年には高井鉱床を掘り尽くしたが、群馬側に小串鉱床を発見、昭和4年北海道硫黄株式会社が小串鉱山を買収した。昭和12年地辷り(※1)の罹災により生産が停止されたが、昭和14年新窯で操業を再開。最盛期には従業員およそ700人、人口2,000人超を数えたが、需要の減少や硫黄の生産方法の転換から規模は縮小し、昭和46年6月30日閉山。同年7月17日、閉山式・慰霊祭・山神祭が挙行された。

※1 昭和12年11月11日、現在の地蔵堂の北側の斜面より地辷りが発生。社宅・精錬所・事務所・学校などが埋没・焼失し、245名が犠牲となった。遺体の発掘は翌年2月まで続けられている

 学校の沿革は以下のとおり。

(小学校)
 ?  (当時の拠点であった長野県にて私塾開設)
 昭和4.7  群馬県側に移転
 昭和5.6  校舎を新築し、非認可の学校開設
 昭和9  10月25日、嬬恋西尋常高等小学校小串分教場として認可を受け、11月1日開校
 昭和15.4?  高等科設置
 昭和16.4.1  嬬恋西国民学校小串分教場となる
 昭和22.4.1  西小学校小串分校となる
 昭和29  独立。小串小学校となる
 昭和46.9.30  閉校

(中学校)
 昭和23.10.31  西中学校小串分校開校。小学校に併設
 昭和29  独立。小串中学校となる
 昭和46.9.30  閉校

 以下は児童数・生徒数の変遷(赤字は最多)。

  昭和10 昭和12 昭和13 昭和15 昭和20 昭和25 昭和30 昭和35 昭和36 昭和38 昭和40

昭和45

昭和46
児童数 66 118 63
(※2)
146 134 141 168 208 224 209 196 145 120
生徒数            67 77 65 65 87 84 56 39

※2 地辷り被害による減少

 村内および長野県高山村からのアクセスがあるが、村内からのものは廃道に近いと思わる。県道112号より毛無(けなし)峠で越境し、現地に下るものが行きやすい。
 現地は既に荒寥とした台地になっているが、火薬庫や変電所・選鉱所等の往時の建物の遺構が僅かながら残っている。なお記念碑や地蔵堂が置かれている一画は手入れがなされ、時おり祭事も行われているよう。
 現地の案内板によると、主に東側は精錬所や変電所等の施設が集まり、西側は居住区で一区から五区までの街区からなっていることが分かる。このうち四区・五区は未訪問。「山神社」も位置が特定できなかったため発見できず。学校跡には潰れた校舎の建材が現在でも残されている。
 以下は地蔵堂そばにある記念碑の全文。

 偲ぶ

 美しい静かな自然の小串は、北海道硫黄株式会社の鉱山として、一九二九年八月一日操業開始
閉山に至る一九七一年六月三十日まで貴重な資源の硫黄を年間約二万t余生産、広く社会に供給貢献した。山奥故の様々な困難を乗り越える強い根性で、生産活動や日常生活に助け合いの精神で臨んだのでした。突如として起きた一九三七年(昭和十二年)十一月十一日背部からの地滑は、一瞬に二百四十五名もの尊い命を奪い、悲しみに深い惨事でした。殉難者のご冥福を祈り由緒の地に建てられた、御地蔵堂を茲に改築。辛き苦労にも耐えられる「根性の縁が授かる御地蔵さん」とし、人々の平和を念じ祀るものです。また多くの強者どもの夢の跡を記念、そして小串の地で散った御霊を追悼し関係者のご協力とご尽力を賜り往時を偲び碑に刻み伝えるものです

 


写真1 毛無峠。看板より先は群馬

写真2 峠から集落方面(群馬側)を臨む

写真3 峠から長野県側を望む

写真4 峠の索道支柱

写真5 火薬庫

写真6 事務所跡(以下鉱山施設区)

写真7 記念碑と地蔵堂

写真8 変電所

写真9

写真10

写真11

写真12 精錬所付近

写真13

写真14 坑口

写真15

写真16

写真17

写真18

写真19

写真20 車道の擁壁

写真21

写真22

写真23

写真24

写真25

写真26

写真27 選鉱所

写真28 一区〜三区遠景(以下居住区)

写真29 一区・二区付近の街路

写真30 屋敷跡。奥の石垣は道

写真31

写真32

写真33

写真34

写真35 電柱

写真36

写真37

写真38

写真39 労組事務所?

写真40 学校全景(以下学校)

写真41 遊具

写真42 何かの石柱

写真43 校舎跡(最上段)

写真44 校舎跡(上から2段目)

写真45 校舎跡(上から3段目?)

写真46 校舎跡(最下段)

写真47 便所

写真48 階段

 

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