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◆叶後(かのうしろ)



※ この地図は、大日本帝国陸地測量部発行の1/50,000地形図「万場」(昭和15.7)を使用したものである

在:神流町神ケ原(かがはら)
地形図:両神山/万場
形態:谷沿いの一軒家?
標高:約690m
訪問:2020年11月

 

 大字神ケ原の中部、二子山の北西にある。
 訪問は叶山鉱山の入口付近より。「白水の滝」の案内のある谷に入り、旧版地形図に記された道を辿る。ただしこの道は大半の部分が不明瞭で、往路では集落東の鞍部手前(写真3)までほぼ完全に道を外れて山中を歩いた(復路では概ね追うことはできたが、やはり消滅した部分が多い)。なお最近の地形図には記されていない林道が先の鞍部の南東(標高およそ870m付近)を通過しており、これを利用するほうがはるかに容易。さらに言えば、鉱山専用道路を利用することができれば短時間で難なく訪問することができる。
 現地は鉱山施設の敷地内になっており、敷地外から望むのみであった。遠景からは神社のようなものが確認できたが、集落由来のものではなく鉱山関連のものだろうか。集落の北は叶山を分断する急峻な岩溝になっており、「叶後の牢口」と呼ばれる独特の景観を見せる(写真7)。なお集落の西の叶山は、石灰の採取により山上は平坦になっている。

 魚尾(よのお)で伺った話によると、分かるものは野村(のむら)家1軒。無住となったのは昭和28年頃か。炭焼きが主な生業で、ほか養蚕。畑での耕作も行っていた。旧住民は移転後秩父セメントの事務所のそばに家を建てていたという。

 


(写真1 叶山鉱山入口。シャッターの先はトンネルになっている)


(写真2 道中の「白水の滝」)

(写真3 鞍部手前の道)

(写真4 集落東の鞍部)

写真5 集落跡(鉱山施設)。右の岩溝は「叶後の牢口」

写真6 鞍部付近からの遠景。神社のようなものが見える

写真7 叶後の牢口。谷は急激に落ち込んでいる

 

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