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◆鬼怒木(きぬもく)

所在:日光市独鈷沢(とっこざわ)
地形図:五十里湖/川治
形態:川沿いに家屋が集まる
標高:約600m
訪問:2019年5月

 

 大字独鈷沢の中南部、男鹿(おじか)川(鬼怒(きぬ)川支流)左岸にある。
 最近の地形図でも地名と複数の建物が記載されているが、南側は屋敷跡、北側は水位観測所(写真2)。地名表記から離れた東の外れには蕎麦店が営業しているが、往時の宅地であったかは不明。
 付近の五十里で伺った話では、かつては4、5軒。製材土場関係者が暮らしていた比較的新しい集落であったという。集落の発生は昭和の前半、離村は平成より前であったよう。

 町史によると、天和3(1683)年の大地震により堰き止め湖が出現、五十里が水没したため31戸中10戸が湖の上端であった当地に移住したとのこと(当時は
「石木戸」の呼称)。移転後は五十里の移住地「上の屋敷」から当地まで船4隻で人馬輸送が行われ、当地の農家がこの船頭に当たった。ほか付近に焼畑を開いて生活。正徳4(1714)年には上流からの堆積物により船頭の仕事が困難になったため、650mほど下流の「中井」に屋敷(当時9戸)を移転した。享保8(1723)年の暴風雨により五十里湖が決潰した際には、船頭の家6戸が流失している。

 


写真1 屋敷跡


写真2 水位観測所


写真3 写真2付近の平坦地

 

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