◆大平(おおだいら?)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「熱鹽」(昭和22.4)を使用したものである
所在:北塩原村大塩(おおしお)
地形図:桧原湖/吾妻山
形態:山中に家屋が集まる?
標高:約750〜780m?
訪問:2023年6月
大字大塩の北西部、大谷川(大塩(おおしお)川支流)右岸側の山中にある。
旧版地形図では大谷川から当地とクラスミ池を経由し、大楚々木(喜多方市関柴町(せきしばまち))へ至る道が記されている。
林道で大谷川を渡ってすぐ、右岸側に林業の作業道が開鑿されており、途中まではこの旧道に沿っている。植林地を抜け建物跡付近を探索してみたが、ある程度の平坦地が見られるのみで人の営みの痕跡はまったく見られなかった。木地師の一時的な居住や、製炭の拠点等であったか。
なお昭和31年の航空写真では、建物や農地らしいものは確認できない。
◆追記
2023年10月、閲覧者様より当地に関するメールをいただきました。以下はその情報の概要です。
・元会津藩士・西郷氏夫妻が明治初年に入植
・当時の最新技術であったリンゴの栽培を志し、塩川町【現・喜多方市】の実業家北村氏の後援を受け、明治30年頃から出荷を開始
・明治末頃までは大変な盛況であったが、リンゴの老化や枯死により次第に衰退し、西郷氏夫妻もいつの頃か大平を去った。大正から昭和初期までに無住となったとみられる
とのことです(『北塩原風土記』〔渡部新一著・歴史春秋社発行、昭和63年〕からの出典)。
この場を借りてお礼申し上げます。
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