◆日影(ひかげ)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「荒砥」(昭和22.3)を使用したものである
所在:白鷹町黒鴨(くろがも)
地形図:荒砥/荒砥
形態:山中に家屋が集まる
標高:約540m
訪問:2017年11月
大字黒鴨の東部にある。黒鴨集落の北およそ1.7km。
集落は中平から峠を越えた北側。黒鴨側から見て陰になっていることが地名の由来と思われ、訪問時は峠を越えるとまさに日影となる状況であった。
集落跡はほぼ全域が植林地。全体的に平坦ではあるものの、屋敷跡の特定には至らず。集落の北側には古い墓地(写真8)があるが、当地は光明海(こうみょうかい)上人の入定およびその即身仏発掘の地であるとのことで、その由来を記した立て札(白鷹町教育委員会による設置)がある。以下はその文章。
伝・光明海上人墳墓
湯殿山行者光明海上人が即身仏、ミイラを志向して、ここに入定したのが嘉永七年(一八五四)である。
その時の「百年の後掘ってみよ」との遺言をもとに、白鷹町教育委員会が、昭和五十三年(一九七八)に発掘調査を行った。墳墓から自然石積の石室と、その内部から遺骸と副葬品が出土し、遺骸は即身仏として復元され、厳高院に安置されている。
なお中平‐日影間の峠の北斜面には、いくらかの石塔が確認できる。南斜面は墓地になっているが、中平との共同墓地だろうか(写真11)。
読みは聞き取りより。「角川」の小字一覧にも、黒鴨の「日影」に「ヒカゲ」のルビがある
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