◆背坂(せなざか)
※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「鳴子」(昭和22.6)を使用したものである
所在:尾花沢市岩谷沢(いわやさわ)
地形図:羽前赤倉/鳴子
異表記:脊坂(旧版地形図)
形態:谷沿いに施設が集まる
標高:約310m
訪問:2018年11月
大字岩谷沢の北部、赤井川(最上(もがみ)川二次支流)の支流沿いにある。背坂峠の南。
岩谷沢で伺った話によると、少なくとも分かる範囲で人家がある場所ではなかったとのこと。金鉱山があり、これに関係する建物ならばあったのではないかという。なお表記については旧版地形図の「脊坂」ではなく、「背坂」で通っているよう(最近の地形図でも「背坂峠」と見られる)。
市史には「尾花沢における鉱山」に「山形鉱山(旧背坂鉱山)」と見え、当地にあった鉱山を指すと思われる。参考までにこの鉱山について記述すると、大正末期から昭和7年頃まで弘前の山田氏が経営し、昭和8年から帝国鉱業開発株式会社が買収し経営。従業員は70名程度であった。のち同和鉱業に鉱業権が移ったとのこと。広義の「山形鉱山」(※)を構成する鉱山のひとつ。
最近の地形図には谷に沿って水田の記号が見られるが、現在も耕作されているものは皆無。建物の痕跡も確認できなかった。
※ 山形鉱山(旧背坂鉱山)・牛房野鉱山・金輪鉱山・滝の沢鉱床の4つの鉱山・鉱床の総称
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