◆黒沢(くろさわ)
所在:湯沢市秋ノ宮(あきのみや)
地形図:秋ノ宮/秋ノ宮
形態:川沿いの緩い斜面に家屋が散在する
離村の背景:移転事業
標高:約470m〜?
訪問:2018年5月
大字秋ノ宮の中東部、黒沢川(雄物(おもの)川二次支流)沿いにある。
資料『戦後開拓のあゆみ』によると、戦後の開拓集落で昭和23年に11戸が入植。昭和45年に全戸が離農したとのこと。
また資料『秋田・消えた開拓村の記録』によると、入植者の出身地は湯沢市・雄勝町で、うち5戸が満洲開拓からの引揚者であったという。当初は大豆・小豆・粟などを栽培したが成果が上がらず、のちタバコを導入。小規模ながら4戸が開田を行った。また営林署より雑木を安く払い下げられ、炭焼きも並行。これが収入の大きな支えとなった。昭和45年開拓団を解散し、翌年集落再編成事業の適用を受け当時の8戸が集団移転した(3戸は早期に離村)。
現在でも黒沢橋付近にいくらか痕跡が残り、屋敷跡や開けた農地跡を確認。さらにここから900mほど上流側でも、水田跡と思われる開けた平坦地が見られた。
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