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◆番所(ばんしょ)



※ この地図は、地理調査所発行の1/50,000地形図「伊那」(昭和27.2)を使用したものである

所在:塩尻市奈良井(ならい)
地形図:宮ノ越/伊那
形態:川沿いに家屋が集まる
標高:約1,170m
訪問:2025年11月

 

 大字奈良井の中部、奈良井川右岸にある。広義では五貫目も含んだ地名だが、ここでは別にページを設けた。

 村誌によると、大正9年11世帯、昭和30年9世帯、平成3年2世帯(国勢調査。いずれも五貫目を除く)。平成9年2世帯3人(「楢川村住民基本台帳」)。
 集落の起こりは、正徳4(1714)年、はじめ萱ヶ平(かやがたいら)に設置されていた街道の番所が当地に移転したことに伴い、番所役人の香山氏が木曽福島より来住したもの。
 香山氏は天保12(1841)年屋敷の隣に分家を出し、さらに明治期にはそれぞれが1戸ずつの分家を出し、香山家4戸となった。
 また明治に入って、沼田氏が木曽福島より番所役人として来住。昭和初年に分家を出し、これは昭和30年当時存在している。しかし本家は昭和20年代初期に岐阜県に転出した。本家の弟も当地に住み、こちらも昭和30年当時も存在。
 
五貫目を含めた昭和30年当時の12世帯の職業は、国有林関係者4・農業2・教員2・電力会社職員各2、林業・無職各1。
 12世帯のうち10世帯は転出している。転出先は、奈良井3・栃窪(とちくぼ)1・平沢
(ひらさわ)1・塩尻市1・名古屋方面1・不明3。
 現在(刊行は平成10年〔第6巻〕)居住しているのは香山家の本家と分家で、本家はニジマスの養殖業を営んでいる。
 昭和30年当時の集落図には、概ね上流から香山・香山・古畑・鈴木・木端・沼田・香山・沼田・奥山の各氏が記載されている。
 集落の背後には山神社の小祠・御嶽神社が祀られて、また山神社付近には、3体の馬頭観世音菩薩が安置されているとのこと。

 先のとおり村誌の刊行当時は香山家2戸が居住していたが、現在は無住。現地の水力発電所(写真3)の説明板に、番所がトンネル建設のため1997年に撤去されたという旨が記されており、2戸もこの際に転居したと思われる。新たな管理家屋が香山家跡地(権兵衛トンネル管理棟)の後方に見られ、このそばには御嶽神社と複数の石塔が見られる。香山家跡から道路を挟んで西側には、番所跡の標柱(平成27年設置)・供魚魂等(塔)・歌碑(平成元年設置)が置かれた一角(写真4)があるが、過去の航空写真よりここに養魚場があったよう。
 最近の地形図では集落の北西側に小さな建物が記されているが、ここも古い屋敷跡だろうか。そばには石造物を納めた小祠も見られる。

 なお読みは村誌のルビおよび番所トンネルのローマ字表記より。

 


写真1 香山家跡付近(権兵衛トンネル管理棟)

写真2 屋敷跡付近(国道沿いの駐車スペース)

写真3 萱ヶ平小水力発電所(屋敷跡付近?)

写真4 右より番所跡の標柱・「供魚魂等」・歌碑(養魚場跡)

写真5 屋敷跡?の小屋

写真6 写真5そばの祠。ほか馬頭観音を納めた小祠が1箇所ある

写真7 御嶽神社と石造物群

 

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