予防接種(平成28年10月10日更新)

 多くの予防接種は小児に於いて行われるものですが、色んな事情によって施行されて いない方で
ご希望の方には当クリニックにて施行しています。

 

予防接種の対象疾患

定期の予防接種対象疾患

 A類疾病:ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、麻疹、風疹、日本脳炎、結核(BCG),
       小児の肺炎球菌感染症、インフルエンザ菌b型(Hib)感染症、
       ヒトパピローマウイルス(HPV)感染症、水痘、B型肝炎

 B類疾病:インフルエンザ、高齢者の肺炎球菌感染症

任意の予防接種対象疾患
 おたふくかぜ、A型肝炎、ロタウイルス感染症、狂犬病、黄熱、髄膜炎菌感染症、
 定期接種対象疾患で対象年齢の枠外に行うもの

海外渡航前に予防接種が必要な疾患:
 黄熱、破傷風、狂犬病、日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎、髄膜菌感染症、麻疹、風疹、腸チフス、
 ダニ媒介脳炎、コレラ等滞在地で必要なもの

ワクチンの種類と特徴

 次の3種類があります。

 

生ワクチン

 

 生きた病原体(病気を起こす細菌やウイルス)の毒性を弱め、身体に入って

病気に ならず、その病気にかかったのに近い免疫をつけようとするものです。
接種後から体内で増殖が始まりそれぞれの持っている性質に応じて、
発熱や発疹の軽い症状が出ることがあります。 

生ワクチンにはMR(麻疹風疹混合)、麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘、ロタウイルス。ポリオ(OPV)、痘瘡、BCGがあります。

 

不活化ワクチン

 

 病原体を殺し、感染性をなくして免疫を作るのに必要な成分を取り出し
毒性をなくして作ったものです。この場合、病原体は体内で増殖しないので、
何回か接種して、身体に記憶させて免疫を作ります。一定の間隔で数回
接種して初回免疫をつけ、約1年後に追加接種をして基礎免疫ができあがります。

 そのままですと少しずつ免疫抗体が減ってきますので、長期に免疫を保つには
一定の間隔で追加接種が必要です。

 不活化ワクチンには、狂犬病、日本脳炎、インフルエンザ、A型肝炎、B型肝炎、ヒトパピローマウイルス、ポリオ(IPV)があります。

 

トキソイド

 

 細菌が産生する毒素を取り出し無毒化したものです。 これにはジフテリア、破傷風 ワクチンがあります。

 

当クリニックでは原則として入手可能なワクチンはすべて取り扱っていますが、
いずれも任意接種で保険適応にはなりません。

 

1.インフルエンザワクチン

      平成28年度ワクチンはA型株2種類(カリホルニア、香港) B型株2種類(ブーケット、テキサス)。現在予約受付中、
    13才以下の方は2回接種、以上の方は1回接種を予定しています。 

学童期以前の子供さんは出来るだけ小児科にて施行して下さい。

2.ポリオワクチン

  DPTワクチンの接種が完了し、ポリオワクチンの接種が完了していない場合原則として単独の不活性化ポリオワクチン(IPV)を使用します。

3.三種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)DPTワクチン
  平成28年8月現在 販売中止となっています

  沈降精製百日咳ジフテリア破傷風不活性化ポリオワクチン(DPT-IPV)が平成24年11月より定期接種に導入されています

4.麻疹ワクチン
 日本では通常1回接種ですが、その効果の持続期間は6−10年ともいわれワクチンを接種されているにもかかわらず麻疹の発症例がみられます。

5.風疹ワクチン
  妊婦さんが風疹にかかると先天性風疹症候群の発生が見られることより、妊娠の可能性のある女性、その配偶者のワクチン接種に対して補助があります。
  MRワクチン麻疹風疹混合ワクチン

6.日本脳炎ワクチン

7.おたふくかぜワクチン

8.水痘(みずぼうそう)ワクチン
  帯状疱疹予防として平成28年3月より 50歳以上を対象に使用できるようになったいます。
  水痘は発症する1-2日前より感染力があるため、同居家族の場合ワクチン接種は間に合わないことの法が多く見られますが、自然水痘患者との接触後3日(72時間)
  以内にワクチン接種を行うと、発症を阻止できるとの報告があります

9.A型肝炎ワクチン

  3回の接種が必要です。
  A型肝炎流行地への出張や旅行、赴任や留学などの前にはワクチンのせっしゅが勧められます。
  海外渡航者においても、魚介類を扱う生産者や調理従事者、A型肝炎患者との接触が多い医療従事者や介護従事者、HAV行程陰性の慢性肝疾患患者、男性同性愛などに対する
  A型肝炎ワクチンの接種は有効と考えられます

10.B型肝炎ワクチン

3回の接種が必要です。
平成28年10月より1歳未満の小児に 定期接種が開始されます

11.ヒトパピローマウイルスワクチンHPVワクチン)
  子宮頸部癌予防ワクチン
  HPVワクチン接種後に広範囲な疼痛または運動障害が起こることがあるため現在積極的勧奨にはなっていません
12.インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン
  平成25年4月1日より定期接種となっています
  接種時期は2ヶ月歳以上7ヶ月歳未満の時期が推すすめです。
13.肺炎球菌ワクチン
  ・23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチン(PPSV23)商品名:ニューモバックス
   現在対象年齢に1度のみ補助があります
  ・13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)商品名:プレベナー
   定期接種の対象は2ヶ月歳以上5歳未満となっています。
   高齢の方にには2種類のワクチン接種を勧めています
14.狂犬病ワクチン
   狂犬病常在地域への渡航前予防接種
15.黄熱ワクチン
   当クリニックでは取り扱いは出来ません、検疫所で行ったいます
16.髄膜炎菌ワクチン
17.痘瘡(天然痘)ワクチン

予防接種を受ける前の注意

 

 予防接種は健康な人が元気なときに接種を受け、その病原体の感染を予防するものですから
身体の調子の良いときに受けるのが原則です。

 

予防接種を受けた後の注意

 

 接種当日は激しい運動やアルコールは避けて下さい。 入浴は差し支えありませんが

すこしでも体調がおかしければ控えて下さい。

 接種後注射部位の腫れやかゆみの出ることがありますが強いときは冷やすと
すこし楽になりますがひどい時はすぐご連絡ください。

 接種後生ワクチンでは2〜3週間、不活化ワクチンでは24時間は副反応の出現に注意しましょう。

ワクチンの副反応について

  厚生省に平成11年4月から平成12年3月31日までに報告されたものを単純集計し、まとめたものです。
  副反応の頻度はいずれも低いものです。 下記のパーセントは報告された全副反応の内の頻度ですので
  ワクチン使用にておこる副反応の頻度ではありませんのでお間違いのないように!

1.DPT,DTワクチン(D ジフテリア、P 百日咳 T 破傷風)
  24時間以内の副反応(43.5%) 1〜3日(54.1%) 最も多かったのは接種局所の異常(43.9%)でした。

2.麻疹ワクチン
  頻度は少ないですが接種後14日でも副反応はみられます。 1歳2ヶ月の女児で接種後4日で痙攣発作 突然死した例   が報告されています。

3.風疹ワクチン
  頻度は少ないですがアナフィラキシー(20.8%) 全身じんましん(12.5%)

4.日本脳炎ワクチン
  アナフィラキシーは24時間以内に、39度以上の発熱も3日以内に報告されています。

5.ポリオワクチン
  一例死亡例が報告されていますが予防接種との関係は否定されています。

6.BCGワクチン
  腋窩リンパ節腫脹(58.6%)が最も多く、ついで接種局所の膿瘍でした。

             

ワクチンの効果について
1.水痘
 患者と接触した場合、72時間以内にワクチンを接種すれば、発症を予防でき、発症しても軽減化が期待できます。 予防効果は約70−90%と考えられています。

2.麻疹
 患者と接触した場合、72時間以内にワクチンを接種すれば、発症を予防でき、発症しても軽減化が期待できます。 予防効果は98%以上の方が抗体を獲得しています。

3.おたふくかぜ
 患者と接触した場合、ワクチン接種効果はあるとされていますが、何時間以内との記載はありません。 

4.風疹
 患者と接触した場合の予防効果については不明です。  90%以上の方が抗体を獲得されています。


5.日本脳炎
 2回接種で97%の方が抗体を獲得しています。

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